「心にもないことを言えない人」の部下の褒め方 「自分は本当にできているのか」を振り返る

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「人の話は最後まで聞きましょう」

これは小学校で習うような話です。が、つい相手が話している途中で口を挟んだり、最後まで相手の話を聞かずに勝手に自分で話をまとめたり……、実は多くの人が「人の話を最後まで聞けない」のも現実です。

それなら、人の話をさえぎらずにいい仕組みを作ってみましょう。そもそも、なぜ途中で話をさえぎってしまうのか? 理由は複数あると思いますが、一番は「その話がいつまで続くかわからないから」ではないでしょうか。

あと10秒でその話が終わると知っていたら、たとえ聞きたいことではなかったとしても、さすがに待ちますよね。ディベートの試合では、主張し合う時間が決まっています。相手が主張している間は、一切口を挟みません。選挙前に行われる党首討論も、公平性を保つために発言の時間は決まっています。その間、各々がちゃんと話を聞きます。

逆に、発言時間が決まっていない報道番組などは、途中で相手の発言をさえぎったり、話の途中でチャチャを入れたり、過激な口論になりがちです。途中で言いたいことがあっても、「ここまで」と時間が決まっていれば、普通は待てるものです。

これを職場に導入する場合、あらかじめ次のようなルールを作っておきます。

① 朝礼の報告は30秒で行う

②会議の発言は1分で行う

③企画の提案は15分で行う

④プレゼンの冒頭でタイムスケジュールを伝える

⑤発表のあとは質疑応答の時間を必ず設ける

事前にルールを決めておけば、そのルールを破ってまでも、途中でさえぎる人は本当に稀でしょう。

話をさえぎらざるを得ないときのルール

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「時間を決めていたとしても、何を言っているかわからなかったり、話がくどかったりしたら、さえぎりたくなりますよ」

という方もいると思います。そういう場合も、またルールです。会議の発表は「結論→詳細→まとめ」の流れです。これを、会議のルールとして周知しておきます。最初に結論が出てくれば、一応何を言っているかはわかるはずです。

このようにルールが決まっていれば、話が長い人に対しては「○○君、もう3分間話しているよ」と注意ができます。何を言っているかわからない人には「○○さん、結論→詳細→まとめの順番で話そうね」と指摘できます。

ルールがなければ指摘された人にムッとされるかもしれませんが、ルールが決まっていれば、指摘された人も「ああ……、すみません」と受け入れやすいでしょう。

それでも「いやいや、そもそもそんなルールは作れないよ」という方もいるかもしれません。そのときは、次のようなマイルールを作ります。

さえぎるときは必ず事前宣告をする

「話の途中でごめんね。ちょっと聞いていい?」と前フリを入れること。

反応しながら言葉を差し込む

「ほ~」「なるほどね」「そうかそうか」「ということはさあ」と、今から入りますよ、という合図を入れること。合図があれば、相手も話を聞く準備ができます。

さえぎらない基準を決める

どうでもいい話、どっちでもいい話は、さえぎらずに聞く。特に雑談みたいなときは意外とさえぎらなくてもいい話が多いはずです。

ここまで、話をさえぎらなくても済む予防線と、どうしてもさえぎってしまうときの処方箋をお伝えしました。予防線が「周知するルール」、処方箋が「マイルール」です。

話をさえぎってしまう癖がある人は、ぜひ今回のルールを取り入れて、さえぎらなくてもいい仕組みを作ってください。地味ですが、着実に人間関係に効いてきます。

桐生 稔 伝わる話し方の専門家

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きりゅう みのる / Minoru Kiryu

モチベーション&コミュニケーション代表取締役、日本能力開発推進協会メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー、日本声診断協会音声心理士。2002年、大手人材派遣会社に入社。営業成績がドベで新卒3ヵ月にして左遷される。そこから一念発起し、全国売上達成率No.1を実現。その後、音楽スクールに転職後、事業部長を務め、2017年、社会人の伝わる話し方を向上すべく、モチベーション&コミュニケーション設立。これまで全国40都道府県で年間2000回にわたり「伝わる話し方」のセミナーや研修を開催してきた。テレビ朝日とABEMAが共同製作する『マッドマックスTV論破王』ではディベートの審査員も務めている。
 

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