なぜマクドナルドの経営改革は"悠長"なのか データから見えてくる内部事情
筆者は、マクドナルドでは、今年中には、資金手当てをも含めた、何か具体的なリストラ計画もしくは再建計画が発表されるに違いないと見ております。その内容は、次のいずれか(もしくは両方)ではないかと筆者は見ております。
まず、考えられるのは、「店舗の縮小」です。赤字店舗を縮小するとともに、仮店舗の敷金を回収するか、もしくは不動産を売却して資金を集める。そして、採算の悪い店舗を閉鎖して出血を防ぐということです。
預金も年内には枯渇?
もうひとつ考えられるのは、「財務活動による資金調達」です。たとえば、親会社をはじめとする大株主からの資金拠出、あるいは、それ以外の大がかりな増資や借入などによる財務基盤の強化策です。
このいずれか(もしくは両方)の対策が講じられなければ、2014年12月末に286億円あった預金も、年内には枯渇してしまうのではないでしょうか。それほどまでに、38.6%の売上高の下落は、マクドナルドにとっては深刻な事態です。
何度も引き合いに出して申し訳ないのですが、2007年1月に不二家の食品不祥事が発覚したときは、その2カ月後には銀座の本社ビルの土地建物の売却が行われ、不二家は多額の資金を手に入れました。そしてその翌月には、第三者割当増資が行われ、山崎製パンからの多額の資金提供を受けました。すなわち、不二家では、不祥事のすぐあとに、矢継ぎ早に再建のための資金手当てが講じられたのです。
これに引きかえ、マクドナルドでは、上海福喜食品の不祥事が発覚したあと、半年以上たっても、そのような資金対策に関する報道がありません。しかし、マクドナルドは、間違いなく、水面下で資金手当ての準備をしているはずです。
それがけっして遠くない将来において発表されることを筆者は予測しています。
(撮影:今井康一)
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