日立化成は液晶基幹部品ACFの生産を再開も福島原発近隣の2子会社は避難状態【震災関連速報】

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日立化成は液晶基幹部品ACFの生産を再開も福島原発近隣の2子会社は避難状態【震災関連速報】

日立製作所グループの化学メーカー、日立化成工業は17日、東日本大震災の影響で操業を停止していた東北・関東地方の7工場のうち、茨木と千葉の2工場で操業を再開したと発表した。液晶ディスプレイに欠かせない部材で、高いシェアを持つ「ディスプレイ用回路接続フィルム(ACF)」の生産を再開。国内外の液晶ディスプレイメーカーが懸念していたACFの生産停止の長期化は避けられた。

操業を再開したのは下館事業所(茨城県筑西市小川)と五井事業所(千葉県市原市五井南海岸)。電気、ガス、水といったインフラが復旧。製造設備の点検で支障がないことを確認して、ACFやプリント配線板用銅張積層板、粘着フィルムなどを順次生産、出荷も再開した。日立化成は、日本国内だけでなく台湾や韓国の液晶ディスプレイメーカー向けに高いシェアを持っており、これらの納入先から動向が注目されていた。

一方、山崎事業所(茨城県日立市東町)や五井事業所<鹿島>(茨城県神栖市砂山)、グループの日立化成エレクトロニクス(栃木県真岡市久下田)、浪江日立化成工業(福島県双葉郡浪江町大字川添字中上ノ原)、浪江日本ブレーキ(福島県双葉郡浪江町藤橋字亀下)の5工場は、17日午後時点で操業が停止したままだ。

このうち山崎と五井、日立化成エレクトロニクスはインフラの復旧を待って来週にも生産を再開できる見通しで、現在、製造設備の点検を進めている。

最大の懸案は、福島県浪江町の2子会社。2社は東京電力福島第1原子力発電所から半径20キロメートル圏内に位置するため、一連の事故に伴う放射能漏れの影響で避難指示が出ている。被害状況の調査や復旧作業が中断した状態だが、原発事故の情勢次第では操業停止が長期化するおそれもある。

浪江日立化成工業はモーターに電気を流す部品であるカーボンブラシなどを、浪江日本ブレーキは自動車用のディスクブレーキパッドなどをそれぞれ生産している。関連メーカーの生産に影響が及ぶ可能性も出ている。

(武政 秀明 =東洋経済オンライン)

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