価値ない実家を相続放棄したい時の注意ポイント 「自治体に寄附」は困難、引き取り探しは茨の道

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自分がいらない不動産を放棄するわけですから、次に受け取ることになる人も「いらない」と判断するものがほとんどでしょう。

そのため、自分が相続放棄するときには、次の順位で取得する人に、一声かけることをおススメします。いきなり不要な不動産を押しつけられたことになると、困惑どころか怒りすら感じる人が多いものです。この声かけが、相続放棄でのトラブル解消に役立ちます。

また、相続したくない土地は行政に引き取ってもらえばいい、と考えている方も多くいらっしゃいますが、実際には引き取ってもらえないことがほとんどです。

自治体からすれば、土地の寄附を受け入れてしまうと、所有者から固定資産税を受け取れなくなり、しかも管理費はかかるという二重苦を負わされることになるからです。寄附なのだから簡単にできると思われがちですが、その認識は誤りなのです。

利益は度外視してでも処分を優先すべきか

最近はキャンプブームなこともあり「山林を相続することになったので、キャンプ場にしたいと思っているんです」と相談されることもありますが、ほとんどの方が管理責任のことについては頭にありません。

「山中の沢が崩れたら、あなたが責任を取るんですよ」

「道路に倒れこんだ倒木とかを、あなたが整理するんですよ」

このようにお伝えすると、たいていの方が「管理責任までは考えていませんでした」となります。相続した土地の行く末を冷静に考え、最善の対処法は何かと、ご相談内容が大きく軌道修正されることになるのです。

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