日本人も驚く「日本代表」カタールでの大人気ぶり クロアチア戦勝利だけでなく、その先の期待も

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そして、スペインを打ち負かすことになる、三笘選手の"奇跡の折り返し"からの田中碧選手の後半6分の逆転ゴール。ゴールがネットを揺らした瞬間は、会場は熱狂に包まれました。スタジアムからだと、三笘選手の折り返しが出ていたかどうかまではまったくわからず、それがゴールだと、スペインサポーター以外は信じている盛り上がり方でした。

そして、運命のVAR。最初は何が起こっているのかわからず、スタジアムがどよめいていましたが、大型ビジョンにリプレイが放送されると、状況を理解したサポーターたちは静まり返り、その時を待ちます。サポーターたちがが固唾をのんで見守る中、主審がゴールを告げると、スタジアムの興奮は爆発。それは日本人だけではなく、日本代表を信じた外国人サポーターもです。

スタジアムの大型ビジョンに、ドイツーコスタリカ戦の経過が定期的に映し出され、一時的な一喜一憂はあるものの、そこからは完全に日本代表への応援モード。そして、永遠にも感じたアディショナルタイムを経て、運命の瞬間が訪れます。見事日本代表がスペイン代表を撃破するという、本大会2度目のジャイアントキリングを収めてくれたのでした。

試合翌日でも日本代表への賛辞はやまず

試合終了後は、ピッチの外ではすれ違う外国の方の「おめでとう」の嵐が待っていて、なかなか前には進めません。ハイタッチやハグを求めてくれる方もいれば、ユニフォームを交換したいと言われる方には何人も出会しました。

筆者とスペイン代表のサポーター(写真:筆者提供)

さらには試合翌日以降になっても、日本代表への賛辞は止まりません。「日本おめでとう」と声をかけてくれたのは、ホテルスタッフ、タクシーやUberの運転手、レストランの店員、世界各国のサッカーファン、そして空港の入国審査官まで。同行した僕の後輩は、日本代表のユニフォームを着ていただけで、日本への帰国の飛行機の搭乗時に、カタール航空のスタッフからプライオリティーレーンに通されていました。

そして、滞在した数日間の中だけでも、現地での日本への期待は遥かに高くなったと感じます。声をかけてくれる世界各国のサッカーファンは、クロアチアに勝利するのは当然で、ブラジルをも一泡吹かせてくれるのではという、W杯開催前には考えられなかった期待を口にする人にも何人も会いしました。

しかし、われわれサポーターが落ち着く暇はありません。勝てば日本悲願のベスト8が決まる、運命のクロアチア戦。僕は平日は会社員につき、月曜からは通常の業務が待っており、泣く泣く帰国して日本からの応援になりますが、カタールに向けて日本からの声援を届けたいと思います。

東松 寛文 リーマントラベラー、休み方研究家

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とうまつ ひろふみ

神戸大学経営学部卒業。広告代理店で働くかたわら、週末で世界中を旅する「リーマントラベラー」に。週末で人生を変えた休み方のスペシャリストとして「休み方研究家」としても活動。オーストラリア『ケアンズ&グレートバリアリーフ観光大使』、岐阜県『羽島市アンバサダー』。70カ国159都市に渡航。3カ月で世界一周を達成し『地球の歩き方』から旅のプロに選出。TV・新聞・雑誌などメディア出演・執筆多数。全国各地で講演も。著書に『サラリーマン2.0 週末だけで世界一周』、『休み方改革』、『週末だけで70ヵ国159都市を旅したリーマントラベラーが教える 自分の時間の作り方』InstagramTwitter

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