ちなみにZR-Vにも4WD車があるが、こちらは「リアルタイムAWD」というシステムを採用する。エクストレイルの4WD車がフロントとリアに計2つの走行用モーターを搭載するのに対し、ZR-Vでは充電用モーターとともに電気式CVTへ内蔵した走行用モーターやエンジンの駆動力をプロペラシャフトで直結し後輪へ伝える仕組みだ。前後の駆動力配分をきめ細かく最適に制御することで、雪道などの滑りやすい路面でも高い安定性を実現。また、乾いた舗装路のコーナーなどは、軽快かつ安定した走りに貢献する。
なお、エクストレイルが搭載するパワートレインのスペックは、駆動用モーターのフロントが最高出力204ps/4739~5623rpm(4WD車204ps/4501~7422rpm)、最大トルクは33.7kgf-m/0~3505rpm。4WD車が搭載するリアモーターは最高出力136ps/4897~9504rpm、最大トルク19.9kgf-m/0~4897rpm。発電用の1.5L・3気筒エンジンは最高出力144ps/4400~5000rpm、最大トルク25.5kgf-m/2400~4000rpmを発揮する。
2モデルを試乗した印象
実際に両モデルの運転席へ乗った印象だが、まず前方視界は、どちらも水平基調のインパネなどを採用することで、かなり広い。ただし、エクストレイルのほうが運転席のヒップポイントが高いのか、視点がZR-Vより上になる印象。ZR-Vのほうが、最近のクロスオーバーSUVに近い感じで、セダンやクーペ的要素も兼ね備える。
ステアリングなどの握りやすさも両車互角だが、シフトの操作方式は異なる。ZR-Vのe:HEVには、D(ドライブ)やP(パーキング)、R(バック)、N(ニュートラル)などの各スイッチを押して操作する「エレクトリックギヤセレクター」を採用(ガソリン車はレバー式)。対するエクストレイルは、軽い操作でシフトが動かせる「電制シフト」を搭載する。レバーを下側に2段階スライドするとD、その状態でさらに下へ2段階スライドさせると減速度が増すBレンジ、Dのときに1段階上へスライドさせればN、Dのときにレバー右側面のボタンを押しながらレバーを上に2段階スライドさせるとRになる。通常のレバー式と操作自体はあまり変わらないため、違和感が少ないのはエクストレイルの電制シフトだろう。ZR-Vも操作自体は簡単なのだが、スイッチの位置を感覚的に覚えるなど、少し慣れが必要だ。
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