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麻布中の入試に「政府の人権侵害」が出題された訳 社会課題を映し出す鏡としての中学入試問題

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いや、ここで示したどちらの解答例も大人特有の「当てに行く」解答ですね。外国から来た労働者やその家族を自分たちと同じ人間として迎え入れるには、社会として何をすればいいかという観点で、もっと大胆な提案をしてもいいはずです。実現可能性なんて気にしなくていい。

そのときにパッと思い浮かんだ解答をとりあえず書くにしても、試験時間が終わってからついもっといい解答がなかったかと考え続けてしまうような子どもを、麻布は求めているのだと思います。「続きは4月から、6年間かけていっしょに考えよう」というわけです。

リアルな問題を解くのが大人の責任

「12歳なのに難しい問題に取り組んでいるね」なんてひとごとをいっている場合ではありません。彼らにとってはペーパーテストでも、われわれ大人にとってこれらの問題は、なんとしても解決しなければならない切実な社会課題です。

たとえば、2022年開成中学入試では、問題文の最後に、SDGsに触れた箇所があります。「ただし、SDGsは2030年までの目標ということになっています。それではその先、国際社会はどのような考え方に基づいてさまざまな問題解決に取り組んでいくことになるのでしょうか。動向に注目しつつ、私たちも考えていきましょう」という文章で締めくくられています。

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この問題に果敢に挑んで中学生になった子どもたちが、2030年にはちょうど20歳になります。つまり彼らは、SDGsのその先の課題に挑まなければいけない世代です。彼らを教える教員たちは、当然ながらSDGsのその先の世界を意識して、生徒たちに何を伝えるべきかを熟慮して、日々の授業を行っています。その「最初の授業」がこれらの入試問題なのです。

現在の中学受験生が大人になったときに取り組む社会課題が、少しでも解きやすいものになっているようにするのが、現在の大人たちの責任です。それができないのに、子どもたちに対して「もっと勉強しないとあとで苦労するよ」なんて、どの口が言えるのでしょうか。難易度を高めに設定するのは、ペーパーテストだけにしてくれよ、という子どもたちの声が聞こえてきませんか?

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