駅が「電車に乗るだけの場所」ではなくなる未来 沿線の各駅が医療、エンタメなどを役割分担

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駅機能の作り替えとともに進める必要があるのが、駅を中心とした街の整備だ。先述したように、今後は多様な働き方が広がることで一日中自宅周辺から離れることなく、仕事をし、家族とも過ごし、趣味やレジャーを楽しむといったライフスタイルの沿線住民が増える。

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こうしたライフスタイルの変化によって生まれる新たなニーズに、さまざまな分野の他企業と連携して応えることである。こうした取り組みで衛星都市の住民が自分の住む街に愛着とプライドを持つようになれば、結果として鉄道に乗る人も多くなるだろう。

街づくりへの積極的な参画は鉄道会社にとって鉄道収入に並ぶ新たな収益源となるだけでなく、沿線イメージの向上や駅が立地する街の価値を高めることにもなる。

人口減少という大激変にあっては、鉄道会社は人や荷物を運ぶ企業から人々の生活の利便性をプロデュースし、「新たな暮らし方」を創造して海外輸出する企業へと変貌を迫られるだろう。柔軟さなしには生き残れない。

河合 雅司 作家、ジャーナリスト

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かわい まさし / Masashi Kawai

1963年名古屋市生まれ。中央大学卒業後、産経新聞社入社。同社論説委員などを歴任後、一般社団法人人口減少対策総合研究所理事長。高知大学客員教授、大正大学客員教授、産経新聞社客員論説委員、厚労省ほか政府の有識者会議委員も務める。「ファイザー医学記事賞」大賞ほか受賞多数。主な著書に『未来の年表』(講談社現代新書)、『日本の少子化 百年の迷走』(新潮選書)、『コロナ後を生きる逆転戦略』『世界100年カレンダー』。2021年6月に『未来のドリル』(講談社現代新書)を刊行。

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