女性目線がポイント?東京オフィスに新潮流 小型高級オフィスビルが増殖しているワケ
東京・青山の目抜き通りに、一風変わったビルが現れた。まるでレゴブロックを積み上げたような、異彩を放つ外観。近くを通り過ぎる多くの人が興味深げに見上げていた。
東急不動産が開発を手掛けた「新青山東急ビル」。1フロアの面積は最大約200坪と、コンパクトなオフィスの部類に入る。1000坪超のフロアを備える大型オフィスビルへの需要が高まっている中で、時代に逆行しているようにも映る。
しかし、「竣工の2カ月前には、全フロアの9割以上の契約が決まった」(東急不動産・ビル事業部の上野直人係長)。4月以降にテナント企業が順次入居する予定。外資系アパレルメーカーやIT関連、広告関連などの企業が入るもようだ。
「働きやすさ」に重点を置く
引き合いが旺盛だった理由は、特徴的な外観だけではない。従来物件とは一線を画した独自の機能も、多くのテナント企業から好感された。東急不動産は本社を構える渋谷を軸に、青山、原宿、恵比寿などでビル開発を進めている。新青山ビルもその渋谷周辺プロジェクトの一環との位置付けだが、より「働きやすさ」に重点を置き、デザイン設計・開発が進められた。
たとえば、3階から11階まで全フロアの両側には、合計86平方メートルのバルコニーが設置されている。入居企業はそこに気分転換のための休憩スペースを設けることができる。11階に入居予定の企業は、サルスベリやヤマボウシなど在来種の植物を植えることで緑を意識した休憩スペースにするという。
六本木方面が一望できる屋上には庭園が設けられており、休憩場所としてはもちろん、貸し切りパーティーなどにも使用できる。エレベーターホールや内装も、フローリングや質感のある塗り壁を使用した落ち着いた雰囲気で統一されている。
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