トーキョーは魅力ある不動産マーケットだ 不動産世界大手に聞く、海外投資家の"買い姿勢"
東京の不動産には投資妙味がある
――海外勢はなぜ日本の不動産に注目しているのでしょうか。
アジア太平洋地域の商業用不動産への投資は2年ほど前から人気になっている。世界経済が不確実性を増す中、商業用不動産はハードアセット(現物資産)であり、収入もある程度予想できる。将来、インフレが進んだ時のヘッジ資産としての魅力もある。アジア太平洋地域の不動産取引額は2013年に1200億ドルに達し、2008年のリーマンショック以降では最も高い水準になった。
中でも、不動産売買額でニューヨーク、ロンドンに次ぎ世界3位の東京が活況を呈している。海外投資家が東京を気に入っている理由はいくつかある。
まず、日本は成熟、安定した経済大国で、取得可能かつ高品質な商業用不動産がある。さらに、東京はほかの市場より回復が遅れていた。オフィス賃料はリーマンショック前と比べて60%程度の水準にとどまっており、回復が始まったばかりの段階にある。そして最も重要なのは、東京の商業用不動産のイールドギャップ(投資利回りと長期金利の差)は非常に大きく、それほどレバレッジをかけなくても投資妙味があるという点だ。
――アベノミクスは投資家心理に影響している?
海外投資家はアベノミクスについてかなり評価している。短期的にみると投資家の日本への信頼感が上がり、中期的にはテナント側の心理へも好影響を及ぼすだろう。借り手が増えれば、オフィスビルの賃料も上がることになる。
長期的に見ると、海外投資家は「第三の矢」の効果が大きくなることを期待している。ただ、効果が出る前でも、第一、第二の矢がもたらしている効果だけで十分にハッピーな状況にある。
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