インドネシア高速鉄道、「G20」試運転の舞台裏 発車後の映像は「録画」でも実際に列車は走った

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インドネシア高速鉄道G20試運転
G20開催時の試運転本番。日没も近くすでにかなり暗かった。この車両はCITと呼ばれる検測用編成で、幹部視察用の特別編成という性格も併せ持つ=2022年11月16日(筆者撮影)
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インドネシア・バリ島にて、11月15・16日に開催されたG20(金融・世界経済に関する首脳会合)は、初日早朝(インドネシア時間)のポーランドへのミサイル着弾、また一部首脳がロシア外相との集合写真を拒み撮影が見送られるなど、幕開けから波乱の展開となった。東南アジア初のG20開催ということで、議長国インドネシアの舵取りも大いに注目されたが、最終的に首脳宣言の採択にこぎ着け、G20は無事閉幕した。

インドネシア政府は会期中、欧州や中国、韓国を中心に、海外からおよそ80億ドルの投資確約を得たと発表した。この中には新首都「ヌサンタラ」への投資も含まれ、G20議長国としての実利もしっかりアピールしている。これでまた1つ、ジョコ・ウィドド(ジョコウィ)大統領のレガシーが歴史に刻まれた。

その中から鉄道プロジェクトに関わる新たな投資や既存プロジェクトの進展、そして間に合うかどうかが注目されていたG20開催時の高速鉄道試乗会がはたしてどうなったのか、紹介する。

バリ島にLRT建設へ

新型コロナウイルス感染拡大による海外渡航の制限から、インドネシア随一の観光地であるバリ島の経済は大打撃を受けた。そんな中で、世界各国の要人や多数のメディア関係者の来訪が見込めるG20がバリ島で開催されたのは意義があったが、それだけではない。アフターコロナの起爆剤として、水面下で計画が進められてきたバリ島内の軌道系公共交通機関(LRT規格を想定)に対して、韓国が今回、正式に建設の加速に協力することを表明した。

これは11月15日、G20に合わせてインドネシア入りした元喜龍(ウォン・ヒリョン)韓国国土交通部長官とバリ州のワヤン・コスター知事との会談で明らかになった。バリ島のLRT計画は、玄関口であるングラライ空港から中心部クタまで約5.3kmの地下線「フェーズ1-A」と、クタからスミニャックまで約4.2kmの地上線「フェーズ1-B」からなり、前者は韓国のソフトローン方式、後者はPPP方式による資金調達が予定されている。

事前準備調査(F/S)は終えており、ブディ・カルヤ運輸相に提出する段階にあるという。本件に対してインドネシア政府は前向きに進めることを表明している。

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