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インドネシア高速鉄道、「G20」試運転の舞台裏 発車後の映像は「録画」でも実際に列車は走った

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  • 高木 聡 アジアン鉄道ライター
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ジョコウィ派閥と言われる閣僚たちは、大統領のレガシーづくりに余念がない。任期中にいかにポイントを稼いでおくかがその後の安泰につながる。ブディ・カルヤ運輸相もその1人だ。

そして、その最右翼がルフット・パンジャイタン海事投資調整相だ。インドネシア国軍特殊作戦部隊将校出身の同氏はジョコウィ政権の陰の参謀として知られ、鶴の一声で黒を白に変えてしまう存在である。コロナ対策でも前線で指揮を執り「コロナウイルスよりも危険な男」と国民から揶揄されてきた。「無理を通して道理を引っ込ませる」ことくらい朝飯前と言ったところである。鉄道案件は、ブディ・カルヤ、ルフット・パンジャイタン、それにエリックトヒル国営企業相を加えた3人によって固められており、大統領の思うままに進められる体制が整っている。

鉄道の着工ラッシュ再び

G20の成功は、ジョコウィ政権にまた1つ自信を与え、さらに国威発揚にも一役買うことになった。この機に鉄道インフラ整備を矢継ぎ早に打ち出したことは、経済大国へまた一歩近づいたことの証にもなっている。ことさら、高速鉄道試運転のオンライン出発式典の模様を、そのままYouTubeでライブ配信したことは見事と言えるだろう。

9月下旬、高速鉄道試運転区間の工事の様子。このときはまだ架線がなかった(筆者撮影)
9月下旬の高速鉄道テガルアール駅、このあと一気に工事が進捗した(筆者撮影)

世論がインフラ整備に前向きになっている今、2018年アジア大会前がそうであったように、鉄道の着工ラッシュが再び訪れようとしている。ジョコウィ大統領ほど鉄道整備に力を入れる政治家は、インドネシア史上これまでに誰もいなかった。

一方で、鉄道は政争の具にもなっている。そして、高速鉄道をはじめとしたいくつかの大型プロジェクトは国営インドネシア鉄道(KAI)に押し付けられており、KAIの財政悪化は免れず、最悪の場合、債務超過に陥る可能性すらある。この歪みを経済成長によって補うことができるのか、はたまた新たな投資家が現れるのかが今後の焦点になってくるだろう。

【写真を見る】インドネシア高速鉄道、「G20」試運転の舞台裏 発車後の映像は「録画」でも実際に列車は走った(13枚)
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