オンライン会議で顔を隠すと会議が長引く理由 マイクをミュートにしても会議は延びてしまう

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このように、カメラをつける習慣をつけないと、情報が少ないなかで会議を進めなければならず、伝えたいことがうまく伝わらなかったり、間違って伝わってしまったりと、ミスコミュニケーションにつながり、会議の生産性が著しく低下します。

私たちが行った調査では、カメラをオフにすると、カメラをつけたときに比べ、会議の時間が延びることと、合意形成の質が落ちることが確認されています。

ただし、ネット回線が不調で、画像が乱れて声も聞こえにくいようなときは、カメラをオフにしたほうがいいでしょう。そうすることで、音声がクリアになることがあるからです。

そんな場合は、「ちょっと通信が重いので、カメラ切りますね」と断りを入れるといいでしょう。あるいは相手が重そうなときは、「カメラをオフにすると調子がよくなりますよ」と言って、こちらからカメラオフを提案するのも必要な配慮です。

相手がカメラオンにしてくれるマジックワード

カメラオンが大切とはいえ、最近は「リモハラ(リモート・ハラスメント)」という言葉もあるそうですから、「何がなんでもオンにしなさい」と強制すると、ハラスメントだと言われてしまう懸念もあります。相手もナーバスになっているかもしれませんから、無理強いは禁物です。

特に、会議の参加者が全員揃ってから急に「カメラをオンにしてください」というのは避けたほうがいいでしょう。その状態でオンにするのが最も心理的ハードルが高いからです。

それよりも、ファシリテーター自身が誰よりも先にルームに入って、カメラをオンにしておき、会議室に入ってきた人から順に声をかけ、カメラをオンにしてもらうように促していくといいでしょう。

最初にきたメンバーのカメラがオンになっていると、後から参加した人は、「今日はカメラをつけるんだな」と思って、オンにしてくれる可能性が高くなります。

また次のような、「ひと言で相手がカメラをオンにしてくれるマジックワード」があります。代表的なものは次の3つです。

①「私のつたない話が伝わっているかどうか不安なので、よかったらカメラをオンにしてくれませんか」

②「今日はカメラオフですか? 私だけ顔が映っていると恥ずかしいので、よかったらつけてくれませんか」

③「うまく話せているかどうか不安なので、もしよかったらカメラをオンにしてくださいませんか」

②については、普段からカメラをオフにしている相手に対しても、「今日は」と言ってかまいません。「今日はたまたまつけていないんですよね」というニュアンスを加えることで、伝わり方を和らげる効果があります。
「私だけなのは恥ずかしいので」というのも、「私が恥ずかしいので、助けてくれませんか」という意味になり、「カメラをつけてください」という強制的なニュアンスを薄めることができます。

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