「竹下通り」知られざる深夜のごみ収集作業の裏側 非効率?「事業系ごみ」の収集作業の問題点

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これらの事情から、段ボールは事業系一廃とともに収集して焼却処理していくビジネス形態となってしまう。店舗から排出された段ボールが事業用一廃とともに収集されているのを見ていると、まるで宝物を捨てるような感覚になり、何とかしたいという思いがこみ上げてくる。スタッフの方に尋ねてみたが、やるせない気持ちで段ボールを収集しているとのことであった。

事業用一廃として収集される段ボール(筆者撮影)

一つの解としての連携収集

事業用廃棄物収集のビジネス形態からすると、個々の収集運搬会社がそれぞれの事業を展開していく形にならざるをえない。その結果、社会全体で捉えると、非効率性が構造的に生じる形となってしまう。

現在では、先ほどの竹下通りのように、同一エリアに各会社の清掃車が入り込み収集していく業務形態となっているが、そこでは1台の収集車があれば十分に収集できる量の廃棄物を、各社の清掃車を走らせてそれらを奪いあって収集している状態となっている。

社会全体から俯瞰すると、ムダな燃料が消費され、CO2の排出もされ続けている状態となっている。また、「飛び地」にある少量のごみを収集するために、清掃車を長距離走らせる非効率的なビジネス形態であるとも言える。

このような事業系廃棄物の収集形態に鑑みると、事業者同士が連携して協力しながら収集にあたるような形に変えていくと、ある程度の非効率性の改善へとつながり、事業者同士の共存共栄も見込めるようになる。

白井エコセンターでは、この連携収集に活路を見出し、すでに同業者同士の協力による収集を始めている。顧客がWEBでの受付システム(ごみ.Tokyo)にて入力を進めていくと、連携収集に関わる各社と顧客との間に産業廃棄物処理委託契約が自動的に締結されるような仕組みを構築して業務を進めている。

連携収集の具体的な手法としては、事業者それぞれが連携収集の対象エリアに抱えている顧客をいったんテーブルに乗せ、事業者間で担当するエリアを配分し、そこにいる顧客のごみを収集する形を構築していくようにする。これにより、同一エリア内には1台のみの収集車が収集業務を行うようになり、燃料の消費やCO2の排出も削減されていくようになる。

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