気鋭のベンチャー社長が「自動運転」に描く夢

自動車メーカーと対等な関係を築けるか

――地方自治体からも期待する声が上がっているようですね。

国内は6つくらいの自治体から、海外でも数カ所から「やりましょうよ」という話をいただいている。

――ZMPの自動運転技術に対する自動車メーカーの反応は?

今はまだ自動運転のニーズはほとんどない。一方で、先進運転支援システム(ADAS)は需要がどんどん伸びている。これを実験するための開発ツールとして、われわれの装置を導入してもらっている。このADASが進化すれば、いずれは自動運転になる。

自動運転車については、提携先の日本自動車大学校のテストコースで日々試験走行を重ねている。人間が運転するときは、信号や線を見ながら右折や左折をしたり、高速道路で合流や車線変更をしたりするが、自動運転ではこういう人間が考えていることを一つ一つライブラリーにして蓄積している。

運転支援はそのライブラリーの一部を使っている。われわれが開発したツールをもとに、各自動車メーカーは各社の設計思想に合わせて自社の製品に落とし込んでいるわけだ。

今後は、ライブラリーとして蓄積したものを量産して、自動車メーカーに販売することもできる。今では世界中に生産を請け負うEMSがたくさんあり、自ら生産設備を持つ必要はない。

下請け企業をピラミッドの下のように表現する「ティア」という言葉は好きじゃない。けれど、僕らには高い技術力があって、これから自動車の主要部品となる製品を持っているという意味では「ティア0」なんだと考えている。自動車メーカーと対等になれるポジションを狙っている。

GPSが入らない場所がZMPの出番

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台車ロボット「CarriRo」は現在、実証実験中で年内の発売を目指す

――最近では建機や物流分野へもウイングを広げています。

ずっと移動を自動化することにフォーカスしていて、その中で自動車は基盤ができてきた。去年から土木建築、農業機械、物流といった分野に自動運転技術を入れていこう、と適用範囲を広げた。

ビジネスモデルは自動車とほぼ一緒。自動車という基盤から同じ技術を横展開していっている。ただ、建機や農機はすでに機械があるけれど、物流についてはプラットフォームがないので、自前で台車ロボット「CarriRo」を作って、実証実験している。

SLAMの強みは、GPSの入らないところでも使えることだ。たとえば、建機を使う現場でも、実はGPSが入らない現場は少なくない。農業現場でも、木が生い茂ったところとか段々畑はGPSが入らない。倉庫や工場でも使えない。そういうところは僕らの出番だと思う。

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