また、相互乗り入れする主要路線では明暗がくっきりする。田園都市線では半蔵門線と乗り入れ運転をかなり前から行っていたが、東武スカイツリーライン(東武伊勢崎線)まで接続し、遅延が増えた感は否めない。
その一方で、東横線は2004年にみなとみらい線に接続したが、この路線は儲かる確率69.4%と神奈川県で随一の高さを誇る。
東横線で横浜方面に出かける人は多いだろうが、田園都市線で下りに乗って出かける人はそう多くないように思う。そして、東横線は2013年には儲かる確率66.7%の副都心線に接続した。この接続によって乗り入れ面でも田園都市線に見劣りすることがなくなった感がある。
乗り入れによる利便性が高いことは、同じ渋谷駅に乗り入れる京王井の頭線と比較するとわかりやすい。この線は、渋谷駅と吉祥寺駅を結ぶが相互乗り入れはなく、都心へは乗り換えを必要とする。このため、物件価格は田園都市線と同水準で、東急2路線よりも高学歴比率が高いにもかかわらず、儲かる確率は55.4%にとどまる。相互乗り入れがさかんな首都圏の路線網の中では、取り残された感が否めない。
乗り入れメリットを享受する目黒線
この逆もある。東急沿線の中で乗り入れのメリットを享受しているのが目黒線だ。南北線と都営三田線の2路線に接続する目黒線では、物件価格は渋谷接続の2路線よりも安いが、儲かる確率は73.7%になる。
目黒線はもともと目蒲線(路線再編で消滅)の一部であり、目蒲線は目黒駅と蒲田駅を結ぶ3~4両編成だった乗客数の少ない路線だった。
それが、乗り入れ対応として6~8両編成に順次拡大し、不動前駅などの高架化、田園調布駅や目黒駅の地下化、複々線化など多大な投資が行われた。そして目蒲線のうち多摩川駅と蒲田駅との間は多摩川線として切り離され、東横線側に乗り入れて武蔵小杉駅・日吉駅まで続くようにした。
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