「就職サイト」を笑う者は、就活に泣く 君は就職サイトなしで就職できるのか?

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学生の中には、リクナビのビジネスモデルを考えたこともない人が少なくないので、ここで説明しておく。

リクナビは新卒採用企業から掲載料金を受け取って収益を上げている。報道機関の記者など第三者が記事を書いているのではない。厳密に言えば、リクナビの記事は採用広告記事だ。企業にとってネガティブな情報はほとんどなく、企業がPRしたい情報が大きく掲載されている。広告記事なのだから当たり前の話だ。

しかし、虚偽の情報が掲載されているわけではない。今どき、故意に虚偽情報を掲載すれば大問題となり、採用などできなくなってしまう。リクナビは掲載情報の内容については目を光らせている。うそはないが、企業のいい面が強調された情報が掲載されていると割り切って利用すればいいだけのことだ。

リクナビ情報を基礎に企業研究を深めよう

リクナビの記事はわかりやすくまとまっているので、まずここを見ると、企業の概略を理解することができる。それから、その他の資料を読み込んだり、OB・OG訪問をしたりすれば企業研究が深まる。企業のネガティブな面は自分で調べればいい。

リクルートキャリア執行役員の中道康彰・新卒事業本部長は2014年11月に東洋経済のインタビューに対して「リクナビはあくまでもサービス。使いこなしようで変わる。私が言うのはおかしいかもしれないが、リクナビには使われないでほしい」と述べている。

このコメントがリクナビの実体をよく表しているのではないか。リクナビに全面依存するから問題が生じる。就活の主体はあくまでも学生自身だ。リクナビは就活ツールの1つだと割り切って使えば、これほど便利で役に立つものはない。

田宮 寛之 経済ジャーナリスト、東洋経済新報社記者・編集委員

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たみや ひろゆき / Hiroyuki Tamiya

明治大学講師(学部間共通総合講座)、拓殖大学客員教授(商学部・政経学部)。東京都出身。明治大学経営学部卒業後、日経ラジオ社、米国ウィスコンシン州ワパン高校教員を経て1993年東洋経済新報社に入社。企業情報部や金融証券部、名古屋支社で記者として活動した後、『週刊東洋経済』編集部デスクに。2007年、株式雑誌『オール投資』編集長就任。2009年就職・採用・人事情報を配信する「東洋経済HRオンライン」を立ち上げ編集長となる。取材してきた業界は自動車、生保、損保、証券、食品、住宅、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、外食、化学など。2014年「就職四季報プラスワン」編集長を兼務。2016年から現職

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