過剰処方?クスリを出す医者はいい医者か 薬を出されて安心していませんか?

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EBMが医療現場に浸透し始めたのを機に、製薬会社の営業手法も変わってきている。ある医師は言う。

「以前は有名な医師の採用事例などを宣伝に利用するイメージ戦略でした。いまは最も信頼できる『エビデンス』をマーケティングに活用しています」

この動きと足並みをそろえるように、製薬会社による接待攻勢も、なりを潜めるようになったようだ。

もっとも、EBMには異論もある。それは次のようなものだ。

「EBMは統計学的な確率論。行き過ぎれば、医師はみな『金太郎アメ』になる」(開業医)

「単に言葉が出てきただけ。昔からEBMは実践している」(別の開業医)

「金融自由化と一緒。米国が仕込んだ医療ビジネスの方便」(製薬社員)

こうした見方に対し、一原医師は、こう話す。

「科学に完全はありません。EBMを活用しつつ、最後は“さじ加減”ではないでしょうか」

「キャップスクリニック代官山T・SITE」(東京都渋谷区)の白岡亮平院長が今後のカギとみるのは、医師と患者それぞれへの「教育」だ。

「患者には小さな頃から医療を学ぶ時間を設け、医師も医学に限らず、診療報酬制度や運営財源も学ぶ。両面からやることで、より良い医療の標準的な姿が見えてくるはずです」

(AERA編集部:鳴澤大)

※AERA 2015年3月23日号

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