仮に「子どもをどんどん褒めてください」とお伝えすると、親御さんたちは、家に帰ると子どもを“褒めよう”とします。しかし、急に褒められた子どもたちは「わざと褒めている」と感じとります。「なにか企んでいるんじゃないか」と思う子さえいます。
親にすれば子どもにいい影響があればの一心なのですが、大抵は子どもに伝わらず、徒労に終わるというわけです。田村さんはそのような状況に陥っていると思われます。
「褒める」場面は日常では少ない
そもそも、子どもを褒める場面は日常どの程度あるでしょうか。ほとんどないのではないでしょうか。
褒められることは、子どもにとっては“強い刺激”です。「叱る・怒る」がネガティブな強い感情だとしたら、「褒める」はポジティブな強い感情と言えます。
「褒める」は、合格したとき、優勝したときなど何かを達成したときなど、めったにないプラスの出来事があったときに使われる、頻度の少ない感情表現であると筆者は認識しています。
また、親が子どもをいつも褒めていると、子どもは「あれ? 前回の褒め方よりも今回は弱いな」と感じることもあります。毎回褒めることの効果を期待するのであれば、回を重ねるごとに褒め方を強くしていかなくてはなりません。しかしそれは現実的ではありません。
子どもを本当に心から褒めたいときは、素直に褒めればいいと思います。しかし、意図的に褒めていては、効果どころか、弊害のほうが大きいのではないかと感じます。褒めるとは、そんなに簡単なやり方ではないわけです。
では、どうすればいいでしょうか。褒めて伸ばすこと自体は正しいのに、「意図的な褒める」はいけないとしたら……。
筆者は、「認めてあげてください」と言っています。
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