コロナ禍の海外旅行、治安良く物価安い国を選べ 乗り鉄、撮り鉄ともに大満足の国はどこか?

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リュブリャナでも駅前のバスターミナルではなく、駅近くの路上のバス停を発着していて、日本の格安バスに似た運行である。バス停に時刻表はなく、専用アプリでのみスケジュールの確認や予約ができるというもので、2013年設立以来急成長している。ヨーロッパでも鉄道に変わって長距離バスが台頭している様子もうかがえたのである。

コロナ禍が落ち着き、海外旅行再開と思っていたところに、円安や物価高のニュースが飛び込んできて、今ひとつ海外旅行再開が盛り上がらないが、物価の比較的安い国を目的地にし、往復の飛行機にLCCを利用したり、ヨーロッパ方面なら比較的運賃の安い中東産油国の航空会社を利用したりし、現地での宿泊をホテルではなくホステルを利用すれば、リーズナブルな旅行はいくらでも可能である。ホステルを利用すれば、共用キッチンなどで自炊して費用を節約している旅行者も多くみられ、彼らとのコミュニケーションは旅を楽しくする。

世界はコロナ禍以前に戻っている

今回の旅では、シンガポール到着後、成田に帰国するまでマスクの必要はまったくなかった。スロベニアではマスクを着用しようにも、マスクをしていたのでは奇異の目で見られるに違いないという雰囲気であった。ヨーロッパでは航空会社の客室乗務員さえマスクなしである。

日本ではいまだに「人との接触を極力避け」などといわれているが、世界はコロナ以前と何ら変わらず、「旅は見知らぬ人とのコミュニケーションがもっとも大切」に戻っていたのである。

谷川 一巳 交通ライター

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たにがわ ひとみ / Hitomi Tanigawa

1958年横浜市生まれ。日本大学卒業。旅行会社勤務を経てフリーライターに。雑誌、書籍で世界の公共交通機関や旅行に関して執筆する。国鉄時代に日本の私鉄を含む鉄道すべてに乗車。また、利用した海外の鉄道は40カ国以上の路線に及ぶ。おもな著書に『割引切符でめぐるローカル線の旅』『鉄道で楽しむアジアの旅』『ニッポン 鉄道の旅68選』(以上、平凡社新書)などがある。

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