コロナ禍の海外旅行、治安良く物価安い国を選べ 乗り鉄、撮り鉄ともに大満足の国はどこか?

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マリボルからの帰路はローカル線と国際列車を乗り継いでみた。運賃は9.6ユーロ。ローカル線はガラガラだったが、途中の主要駅から地元高校生がどっと乗り込んできて、日本と状況が酷似していた。

国際列車はお隣のクロアチアのヴィンコヴチからザグレブを経由し、オーストリアのフィラッハへ向かう列車で、山間のローカルな駅からリュブリャナまで利用した。国際列車のため追加料金1.5ユーロが必要で、検札時に車掌から購入した。オーストリア国鉄の機関車が牽引、コンパートメントスタイルの客車にたった1.5ユーロの追加で乗車でき、これまたご機嫌な汽車旅であった。開閉する窓から山あり谷ありの日本にも共通する車窓を楽しんだ。

鉄道の旅2日目は地中海に近いコペルへ向かい、路線バスに乗り継いで海辺の街ピランへ行った。リュブリャナ―コペル間は153km、運賃9.6ユーロ+インターシティ料金1.5ユーロ。車両は3両連接の電車。

ほかの路線でもそうだったが、スロベニアの鉄道車両はすべてクロスシートで、ロングシートの通勤然とした車両はない。しいていえば自転車を載せる部分と、2階建て車両の階段付近がレイアウトの関係で窓に背を向けている。

すべての列車にトイレがあり、ゴミ箱もある。どの車両に乗っても汽車旅旅情があった。感心するのは、ある年代以降の車両は、普通列車でも電源コンセントがあることだ。ほとんどの人がスマホにダウンロードしたアプリで鉄道を利用していて、QRコード部分が乗車券、車掌はQRコードで正しい乗車券かどうかをチェックしている。スロベニアでもほかのヨーロッパ諸国同様にIT化が進んでいた。このようなことからも列車内に電源コンセントは必須なのであろう。今回の旅行中、イタリアにも足を伸ばしたが、切符のシステムは同様で、やはり座席には必ず電源コンセントがあった。

2階建て電車も運行

鉄道の旅3日目はリュブリャナからブレッド湖を往復した。ブレッド湖最寄りの駅は2カ所あり、往路と復路で異なる駅を利用してみた。往路はオーストリア行き国際列車に乗ったので、料金は運賃5.1ユーロ+国際列車料金1.5ユーロ、復路はローカルなディーゼルカーと、2階建て電車を乗り継いで運賃6.6ユーロ。

ローカルディーゼルカーの車窓は日本ほど鮮やかではないものの紅葉も見ることができた。2階建ての電車は、通勤時間帯にリュブリャナ駅を多く発着しているので、主目的は通勤時の全員着席といった趣旨の車両であろうが、それにしても座席がゆったりしていて、こんな寛げる車両で通勤しているというのは日本とは雲泥の差であると感じる。

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