コロナ禍の海外旅行、治安良く物価安い国を選べ 乗り鉄、撮り鉄ともに大満足の国はどこか?
スロベニアはユーロ圏では物価の安い国であるが、それでも旅行者物価としては、食費や宿泊費は日本よりも高く、食事は1食につき10ユーロは必要な感じで、宿泊もホステルと呼ぶドミトリーに泊まったが、それでも1泊日本円で4000円以上であった。ところが、交通費だけは日本の半分程度に感じた。
駅に改札はなく、駅舎は夜に閉まってしまうが、ホームなどは24時間出入り自由、ベンチも多く、人々たちはキックスケーターなどで行き来している。意外なことにホームは禁煙でもなく、やや遅れているとも感じる。
ひとつ儲かっていそうなのが貨物輸送で、首都のリュブリャナ駅でも貨物列車が頻繁に通る。スロベニア国鉄の電気機関車牽引の列車もあるが、オーストリア国鉄の電気機関車が引いてくる列車も多く、国際貨物輸送の通過国になっているようだ。世界的な海運会社の海上コンテナを満載した列車、タンカーに加えて、日本では見なくなった自動車を運ぶ車両も多く見られた。ベンツの出来立ての自動車が満載だったり、小麦など穀物類を運ぶホッパー車の編成だったりと、貨物列車は終日、かなり頻繁に通過した。貨物輸送という鉄道の得意分野をうまく活かせていると感じた。
格安バスが席巻
こんなスロベニアは、ここのところドイツ、オーストリア、イタリアなど近隣国からの旅行者で大賑わいである。リュブリャナでは、ドミトリーの宿などでこれらの国から来たという旅行客に多く出くわした。宿のおばさんも、「今年は10月になってもピークなのよ」と言っていた。ロシアのウクライナ侵攻によってエネルギー供給が不安定となり、ドイツやオーストリアでは一般家庭の電気代が3倍に跳ね上がり、諸物価が軒並み高騰したのだという。
冒頭に「スロベニアはユーロ圏で物価がもっとも安い国」と述べたが、ドイツやオーストリアからの旅行者にとっては物価が安くて手軽な旅行先なのである。しかし、これら観光客で街が大賑わいの割に国際列車は混雑しているような光景は見なかった。
そこで、ウィーンから来た観光客にどうやってここへ来たか訪ねてみたところ、格安バスという答えが返ってきた。現在ヨーロッパを席巻しているFLIX BUSである。彼らはドイツやオーストリアから日本円で4000~5000円相当でやってきていた。気軽に来られるので週末の1泊2日程度の人が多いのだ。
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