授業のプログラム全体は、モバイルゲーム大手のグリーさんと一緒にプロデュースしています。1年目はICTと教育について学ぶ回が初めに何回かあり、そこではベネッセ教育総合研究所や千葉市教育センターの情報教育担当者に来てもらって、最新のICT教育事情や、千葉市でのICT活用の状況について話してもらい概況を学びました。
日頃目立たないオタクたちが、大活躍
その後、アイデアや事業モデルを出し合うアイデアソン(アイデア+マラソン)というワークショップを、授業2コマ使って行いました。学生がアイデアを出してそれを深めていく時間です。アイデアソンの後、グリーさんで実際にゲームを作っているプロデューサーやデザイナーの人に来て頂いて、アイデアを具体的にどのようなゲームアプリにするかという話をして頂きました。
そこから学生たちはグループに分かれて、自分たちのアイデアをゲームにする準備をし、12月に六本木のグリー本社でエンジニアの方々とハッカソン(ハック+マラソン)をまるまる2日間かけて行いました。
ハッカソンというのは、みんなで集まってプログラムを作る活動です。1年目はアプリを作って動くようになって、そこでおしまいでした。ただ、いろいろと成果はあって、例えば従来の教育学部の授業は、割と弁が立つ学生が活躍するという状況でした。元気が良くて話ができる人が目立っていました。
しかし、この授業では実際にゲーム開発を体験するので、絵を描くとか、黙々と作業する時間が非常に多いんです。話し合うというよりも、実際に作ってみるという時間ですね。そうすると、従来活躍しなかったタイプの割とおとなしいけれど黙々と作業を行うことが得意だという学生、特に絵が上手だとか物語を考えるのが好きだという学生、俗に言うオタク傾向の強い学生が大活躍しました(笑)。それまでの力関係が逆転したんですね。そういうこともあり、もう一度授業を受講したいという学生も多いんです。
――その1年目を受けて、2年目の授業内容は変化しましたか。
2年目は前年に続けて2回目の履修者がいる前提で授業の内容を考えました。そうすると、1年目より一歩先に進めることになるんですね。そこで、小学校で実際に小学生に使ってもらえるアプリを作ることにしました。
千葉大学はキャンパス構内に教育学部附属小学校があり、かなり行き来があります。そのため、附属小学校の教員に頼んで、1クラスの授業を借りてその子たちに実際に使ってもらうことをゴールにしました。1年目の受講者数は20名。1年目の評判が広まったこともあったのか、2年目は30名になりました。
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