唖然!戦時下のヨルダンで原発建設計画 国連防災世界会議で浮かび上がる危機

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
フランスの原子力防災について語るオリヴィエ・フロラン氏

世界では、いまだに原子力防災がおざなり(いい加減)なまま--。仙台で3月14~18日の日程で行われる「第3回国連防災世界会議」に関連した市民フォーラムで、こんな課題が浮かび上がった。

いまだ福島県民だけで2万5000人近くが避難し続ける東電福島第一原発事故を教訓に、日本では原発を抱える各地域で避難計画が立てられているが、もう一つの原発大国であるフランスでも、対策はお寒い。中東ではIS(イスラム国)のテロに脅かされるヨルダンでも原発の新設が計画されている。フクシマの経験が生かされていないという訴えだ。

フランスは「子ども残し大人が逃げよ」

仙台市の東京エレクトロンホール宮城で開かれたのは「市民参加による原子力災害の予防と対応」と題したシンポジウム。NPO法人日本イラク医療支援ネットワーク(JIM−NET)と同シャローム、そしてピースボートの3団体が国連防災世界会議のパブリックフォーラムの一つとして共催した。

フランスから招かれたヴォークリューズ県議会副議長のオリヴィエ・フロラン氏は、同県に隣接して立地するフランスでも最大級の「トリカスタン原発」について、「原発から10キロ圏以内に約8万2000人が住むが、事故があったら子どもを学校に残したまま大人は逃げることになっている。しかし、学校の備蓄は40人の子どもに対し5本程度のパンと缶詰め、ビスケットとチョコレート、6リットルの水だけだ。避難させるためのバスも運転手も足りない」と明かした。

フクシマを教訓に、事故の想定地域を100キロ圏まで広げるよう訴えているが、地元はアレバ社やフランス電力など原子力事業者の影響力が強く、実現していないという。

次ページ原発事故に対する国際法が不十分
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事