YouTubeにテレビ並みの番組がやたら増えた理由 2022年のトレンド、縦型ショート動画も席巻した

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こうした流れの背景にはYouTuber自体の人気ももちろんですが、ディレクターや作家といった、これまでテレビを主戦場にしていたクリエイターがYouTube業界に参入していることがあります。ゴールデンタイムを筆頭として若者のテレビ離れが進んでいるといわれている昨今、若者の視聴者はYouTubeや動画サブスクリプションサービスを視聴する傾向にあります。

全年齢向けのバラエティテレビ番組が増える中、テレビではできない過激かつ尖った内容のコンテンツをテレビ業界出身のクリエイターたちがYouTubeで作り始めている流れが見えます。

また、コロナ禍を経てYouTubeの視聴層が広がっているのも、番組型動画が増加した要因の1つです。2020年6月時点でYouTubeの国内利用者は18~64歳までで6500万人といわれており、コロナ禍でYouTubeを視聴する人は格段に増え、世代も幅広くなってきています。特に30〜50代の視聴者は1980〜2000年代の攻めたテレビバラエティを見てきた世代でもあり、番組型動画との親和性も高いです。

面白い一般人を探して番組内でフックアップするといった形式は「ガチンコ!」(1999~2003・TBS系列)や「学校へ行こう!」(1997~2005・TBS系列)、「恋のから騒ぎ」(1994~2011・日本テレビ系列)といったかつての大人気テレビ番組のようです。最近ではY2Kや平成レトロのように20年前のファッショントレンドが一周して今の若者に流行っているように、エンタメの波も回ってきたように感じます。

番組型が増え、スポンサーとして入る企業が増加

こうした番組型動画が増えることで、YouTuberへの広告出稿の形にも変化が起きています。

これまでのYouTuberの企業広告は動画内で商品をレコメンドするのが一般的でしたが、番組型動画が増えてきたことで番組スポンサーという形での企業参戦がはじまりました。

例えば「BreakingDown」にはRPGゲームアプリの「喧嘩道」がメインスポンサーとしてついており、動画内でインフォマーシャルとしてアプリを宣伝しています。また、人気格闘家のキャラをゲーム内に登場させるなど、積極的な番組コラボも行っています。

次ページ広告であると明記すれば番組内にスポンサー商品の登場も可能
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