「死にたい」と悩む子へ「絶対してはいけないこと」 和田秀樹氏が回答する「本当の自殺予防策」

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中学生
わが子が人知れず悩み、「死にたい」とまで思っていたら……(写真:Graphs/PIXTA)
いじめを苦に自ら命を絶ってしまったり、事件に巻き込まれてしまったりする若者が後を絶ちません。もし、「死にたい」とわが子が悩んでいたら、どのように対応したらいいのでしょうか。今まさに苦悩する子どもたちへ、精神科医の和田秀樹氏がお答えします。
(和田氏が未成年の皆さんのモヤモヤやお悩みに答える新著『15歳の壁』より、一部抜粋・編集してお届けします)

「いじめ自殺」は道徳教育ではなくならない

「時々、死にたいと思ってしまう」という子へ、和田秀樹先生からアドバイス

死にたくなるほど追い詰められている原因がいじめだとしたら、そこから逃げることです。いじめる奴、いじめグループ、学校からまずは逃げることです。そして、友達や親、教師などに医者やカウンセラーなどのプロにつないでもらって、自殺しなくても済む方法を一緒に探し出すことです。

自殺予防教育は、死にたいと思ったときに自分をどう守るか、友達に死にたいと言われたらどう対処するか、といったことをきちんと教えるものです。欧米先進国にはさまざまな自殺防止のプログラムが開発され、使われています。それによって、子どもの自殺をかなり減らすことができることが報告されていますが、なぜか文科省はそれをやろうとしません。

あたかも道徳教育に効力があるかのように信じて「人をいじめてはいけません」「思いやりを持ちましょう」と説教じみたことを子どもたちに教えたとしても、教える先生たちもそうは思っていないのですから、いじめ自殺が減るわけがありません。そもそも日本の自殺予防の教育は間違っているのです。

まず、あなたの周囲にいる人がすべきことです。死にたいと言われたらどうするかですが、基本的なマニュアルは、とにかく徹底的に話を聞くことです。「死にたい」と言われたときに「そんなこと言うなよ」といきなり言ったところで、ほとんど意味はありません。むしろ相手は「否定」と捉えて心を閉ざしかねません。

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