日本の異常すぎる金利抑制策に募る「最大の疑念」 国債市場が機能不全なのに転換しないのは不健全

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総合経済対策の主要な中身は、物価対策だ。これまで行われていたガソリンのほか、電気代、ガス代も対象とする。

物価高騰に対処するために本来必要なのは、金利の上昇を認めることによって、円安を抑えることだ。現在、輸入物価上昇の約半分は円安によるものだから、これによって物価高騰はかなりおさまる。

もちろん、円安を抑えても、輸入価格上昇の半分程度しかコントロールできないから、物価上昇をまったくゼロにすることはできない。それに対しては、生活困窮世帯に直接の補助を行えばいい。

「市場価格を操作するのでなく、困窮者に対する直接の補助を行うべし」とは、経済政策の鉄則である。

現在、資源価格が上昇しているのは、省エネが必要だとの市場のシグナルだ。しかし、補助策で価格を抑えてしまうと、省エネが行われなくなってしまう。

しかし、物価上昇は、国民の不満を高める。

だから、 政治の場では、価格を見えなくしようとする政策がとられがちだ。しかし、それでは、問題は何も改善されない。省エネは行われないので、事態を悪化させる。だから、最悪の政策なのだ。

われわれは、朝三暮四の猿ではない

「朝三暮四」という故事がある。宋の狙公は、飼っている猿にトチの実を与えていた。ところが、貧乏になったので、トチの実を減らそうとした。

「朝に三個、夕方に四個にする」と猿たちに提案したところ、猿は激怒。そこで、「では、朝に四個、夕方に三個にする」と再提案したら、猿たちは大喜びした、という話だ。

これから、「実態は何も変わらないのに、見かけを変えてごまかすこと」「目先の利害にこだわって、全体としての大きな詐術に気づかぬこと」を、「朝三暮四」というようになった。

ガソリン代、電気代、ガス代などが値上がりすると、国民は怒る。そこで、少し複雑にする。

つまり、補助金を出して価格を抑える。そのための財源として国債を増発する。そのままだと金利が上昇してしまうので、それを抑える、という戦略だ。こうすれば、事態はわかりにくくなるので、国民は喜ぶだろうというわけだ。

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