真心ブラザーズ「自分に優しく、甘く」哲学の真髄 何でも受け入れるというか、多少嫌でもやる(笑)
YO-KING:「どか〜ん」を演るのはしんどくなかったのですが、「サマーヌード」は発表してから2、3年がキツかったかなぁ。当時、あの楽曲のよさを全然理解していなかったので。ああいう(ポップな)タイプの楽曲をリリースするのが初めてで、どういう表情で歌えばいいのかわからなかった。
桜井:その前のアルバムが『KING OF ROCK』(1995年)というゴリゴリにロックな内容で、「サマーヌード」とはまったく異なる角度の楽曲でしたから。
YO-KING:ほかのミュージシャンだったら、おかしくなっているくらいの方向性の変化(笑)。でも、自分は適当な性格の人間なので乗り越えられたんだと思う。
自分では納得できなくても甘んじて受け入れる姿勢
──おふたりともいい感じで肩の力が抜けてますよね。
YO-KING:30年以上にわたって同じメンバーでコンスタントに活動できたのは、それが大きいと思います。何でも受け入れるというか、多少嫌でもやるかんじ(笑)。
桜井:自分では納得できないけれど、世の中の流れがそうならば甘んじて受け入れましょうという姿勢。それにあえて逆らうのも、大変な労力が必要になりますしね(苦笑)。
YO-KING:「器が小さい」と思われたくなかったんですよね。みんなが「いい」と言うものはやればいいじゃないって。そういう方法で、これまで鍛えられた部分がありますね。
──その「サマーヌード」は、今や時代を超えた「サマー・アンセム」になりました。
YO-KING:当初自分では「どうかな?」と思うことでも、とりあえず種をまいておけば、失敗することもあるけど、もしかしたら芽が出る可能性もあるし。だから、とにかくやってみるという精神は大切だなって思いますね。