OECD諸国の人口1000人当たりの看護師数と医師数は、グラフに示すとおりだ。看護師数では日本は9・4人であり、30カ国中でほぼ中位に位置している。他方、医師数では日本は2・1人であり、最下位のグループにいる。イギリス、アメリカが2・4~2・6人、ノルウェー、オーストリアが4人を超えているのと比較すると、かなり少ない。
「供給者の論理」は患者の要望と一致しない
しかも必要とされる医療専門者は、人口総数に対する比率よりも、高齢者数に対する比率で見るべきだろう。なぜなら高齢者の医療需要が大きいからである。そして日本は人口高齢化が先進国でもっとも進んでいる。これを考えると、日本における医師や看護師の数は、他国と比較して非常に少ないことになる。
たとえば65歳以上人口1000人当たりで見ると、医師数では日本9・4人に対し、イギリス15・7人、ドイツ17・4人、アメリカ18・7人と、かなりの差がある。看護師数では、人口1000人当たりでは日独英に大きな差はないが、65歳以上人口1000人当たりでは、日本41・3人に対し、イギリス57・3人、ドイツ52・1人と、差が出る。