新MacBookは、「選びにくい機種」だった 現時点では万人受けしない
MacBookという、スタンダードモデルとして登場させた新機種は、Intel Core Mプロセッサを搭載したファンレス構造、かつUSB-Cとイヤフォンマイクジャックしか持たないという、大幅な切り捨てを行った。
これによって、最厚部でも13.1mm、重さは920gで、9時間のワイヤレスインターネット、あるいは10時間のビデオ再生に対応する。そしてなにより、ディスプレイはiPhone・iPadでおなじみの高精細な12インチRetinaディスプレイを備えたのだ。
搭載するものの切り捨ては、MacBookシリーズでおなじみの光景になった。これまで、ネットワークポート、光学式ドライブ、ハードディスクドライブなどを切り捨ててきた。
今回は、本体の充電、データ転送、ディスプレイ出力を兼ねるUSB-Cポート1つのみを残し、ポート類は一掃された。
もちろん、実用上は、このポートからディスプレイ出力やこれまでのUSBポートを利用するためのアダプタが必要になるが、Wi-FiやBluetoothといったワイヤレス技術への移行で、ケーブルがない世界の到来を推し進めるきっかけにも見える。
3色を用意したのはなぜか
今回MacBookに用意されるのは、これまで唯一のカラーだったシルバーに加え、スペースグレーとゴールドが追加された。
ご存じのように、この展開はiPhone 5s以降のiPhone、そしてiPad Air 2・iPad mini 3から採用された、「iPhoneと同じカラー展開」だ。例えば、スペースグレーのiPhoneを使っている人は、スペースグレーのMacBookを選ぶことができ、ゴールドで揃えたい人のニーズにも応えられる。
iPhone、iPod、MacBookと、カジュアルに利用できるアップル製品の象徴とも言うべき特徴が、このカラー展開と言えるだろう。裏を返せば、MacBookは、カジュアルマシン、ということでもある。
Core Mはもちろん仕事にも利用できるスペックを備えてはいるが、例えばグラフィックスやビデオの編集といったプロ向けの作業をこなすほどではない。ウェブや文書作成、メディア視聴を中心とした用途に向いているマシンという位置づけだ。
価格はMacBook Airよりも上がってしまったため、敷居を下げるまでには至っていないが、このMacBookの構成が、当面のアップルのコンピュータ体験を満足にこなすことができるラインとして設定されたと考えられる。
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