アルバイト・パートや派遣社員、期間従業員など、いわゆる「非正規労働者」は日本に2000万人超(総務省労働力調査)。全労働者に占める割合は約38%まで高まっている。
東洋経済オンラインは2月下旬、上場企業(金融を除く)の最新本決算(2013年11月~2014年10月期)と5年前の有価証券報告書データなどから、非正規社員にかかわる3つのランキング「『非正規社員をたくさん雇う』トップ500社」「非正規社員の『比率が高い』500社ランキング」「非正社員が増えたトップ500社はどこか」をお伝えしてきたが、今回は一つ追加して、非正規社員の人数を減らした500社ランキングをお届けしよう。
相対的に賃金が安く、期間を区切って雇えることからさまざまな企業で社員の非正規化が進んでいる。有価証券報告書にはいわゆる「非正規社員」が「臨時従業員」として規定され、その数が全従業員数の1割以上を占める場合、年間の平均人数を開示することが義務付けられている。それを使って、上場企業の非正規社員について5年前から減らした企業を調べた。
マクドナルドはFC店への転換が影響
1位は日本マクドナルドホールディングス。要因として大きいのは直営店をフランチャイズ(FC)店へと転換してきたことだろう。非正規社員の比率で見れば直近84.2%に対して、5年前は86.1%と依存度に変化は見られない。マクドナルドの日本国内店舗で働くパート、アルバイトの数は、それほど大きな変化がないかもしれないが、企業としてみれば直接雇用している人員は縮小している。
2位はダイエー。業績不振からリストラを続けてきたが、その影響は正社員(従業員)だけでなく非正規社員の減少という面にも現れている。非正規社員が減っている会社はこういった経営不振の会社と、業績好調を受けて減らしている会社が混在している。
全体の正社員数を増やし、非正規社員を減らした会社には、海外展開する製造業が多い。リーマンショック後に国内の製造現場の人員を減らし、海外での事業展開やM&Aを通じて全体の従業員数を増やした可能性もあるため、このランキングをもって非正規社員の正社員化が進んだと断言することはできない。ただ、リーマンショックの経験もふまえ、非正規社員を増加させる以外の手段で従業員を増やす(規模を拡大する)企業が出ていることは見て取れる。
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