10月初旬、ソウル市汝矣島(ヨイド)にある漢江公園で開催された「ソウル世界花火大会」の場合、100万人を超える人波が押し寄せたが、人命に関わる事故は発生しなかった。イベントの主催者が韓国企業ハンファグループとはっきりしており、ソウル市が安全に行われるイベントかどうかを審議する一方、ソウル市や汝矣島がある永登浦(ヨンドンポ)区、警察・消防署などが合同で安全本部を設置して対応したためだ。
韓国・ウォングァン大学消防行政学科のヤン・キグン教授は、「梨泰院のイベントに1000人以上が来ることは十分予想できた。安全マニュアルを適用できる条件があった」と指摘する。「事故が発生した通りに安全要員が十分に配置されていれば、事故を防ぐ、あるいは被害を減らすことができただろう」と述べた。
学校での「安全教育」拡充の声も
専門家らは今後、今回の梨泰院での事故のように主催者が存在しない自発的な民間イベントにもマニュアルに沿った対応を義務化することが必要だと口をそろえた。
韓国国際大学消防防災学科のキム・ユシク教授は「今後、イベントの主催者の有無にかかわらず、人が集中して押し寄せることが予想されるイベントにも、事故予防措置をとることができる制度が必要だ。瞬間的に移動する人数を測定し、一定規模以上の場合には安全対応ができるようにするなど、具体的な対応策も考えていかなければならない」と述べた。
ソウル市も同様な策を考えている。ソウル市関係者は「監視カメラや携帯電話の通信データなどを通じて多くの人が押し寄せるなど、事故の発生リスクが高まったと把握されれば、警察などと協力して事故を防止する方法が必要だろう」という。
事故予防や安全に対する社会的な注意喚起策を通じてこのような事故を予防できるようにすべきだとの意見もある。
韓国・ウソク大学消防防災学部のコン・ハソン教授は「心肺停止から蘇生させるためには、4~6分間が勝負だ。梨泰院の事故の場合にも心肺蘇生術によって助けることができた命が多かったようだ。韓国の義務教育期間に行われている安全に関連する教育を、アメリカやイギリスのように高校でも行えるようにすべき」と述べた。
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