この世界はあらゆる食品添加物に満ちています。厚生労働省はその使用基準を決めて「安全である」と言っていますが、そうとも言い切れないのが現実です。
2010年のハーバード公衆衛生大学院による大規模な研究では、1日50gの加工肉の摂取は、冠状動脈性心疾患のリスクを42%も上昇させたとしています。冠状動脈性心疾患とは、心臓に血液を供給する血管の血流が悪くなり、心臓に障害が起こる病気です。
また、国際がん研究機関は2015年に「毎日50g以上のハム・ソーセージをとることで、大腸がんになる可能性が18%ふえる」と発表しています。世界がん研究基金も、加工肉の摂取は大腸がんの原因になると発表しています。
そのほかにも、添加物は活性酸素を発生させる原因になること、腸内細菌のバランスをくずすこと、ミネラルの吸収を阻害することなどが問題点としてあげられています。
では、なぜ添加物がこんなにもたくさん使われているのでしょう。まず食中毒を防止するためです。加工食品は製造されてから食べるまでに時間がかかります。その間に安全に食べられるように使われているのです。
食品添加物が使われることで製造期間が短縮されたり、製造工程が少なくなったりするメリットもあります。見た目のよさや、味つけにも一役買っています。
少しでも加工度の低いものを選ぶことが大切
ハムやソーセージには「リン酸塩」が使われています。これは原料の肉の水分を保ち、やわらかい食感に仕上げ、色みを鮮やかにする効果があるからです。しかし、人や動物の研究で、過剰なリンが摂取されるとマグネシウムの吸収がしにくくなるという報告がされています。
リンの安全摂取量はだいたい1日1000㎎程度とされていますが、実際の摂取量は、男性で1338㎎、女性は1190㎎。基準を超えているんです。食品添加物由来のリンによって増加していると考えられています。
食品添加物を普段の食事から完全に排除することは難しいですよね。でも、少しでも加工度の低い食品を選んだり、できるだけ食べる回数を減らしていくことが大切ではないでしょうか。
ハムやソーセージには亜硝酸塩という発色剤も使われており、発がん性が疑われています。けれども、こうした発色剤やリン酸塩を使わないで作られているものもあります。
自然食品のお店などには無添加のものもありますから、そういうものを選んで食べるようにしませんか? 添加物の少ないものを買う人がふえれば、食品メーカーの添加物に対する姿勢も変わっていくかもしれません。
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