頭が重い株式市場の底流で起きている密かな変化 今までの「行きすぎた悲観」が修正されそうだ
日米など主要国の株価指数は、10月半ば前に最近の安値をつけて持ち直したものの、頭も重い。ひとことで言えば「もたもた」「今一つ」「ぱっとしない」というところだろう。
そのように、表から眺めていると「相変わらず冴えない株式市場」と感じざるをえない。どうしてそうなるかといえば、これまでの市場波乱で、自信を喪失した投資家が多いからだ。
アメリカは個人も機関投資家も、なお下落を警戒
とくにアメリカの証券投資家については、過去の当コラムでも何度か述べたように、例えば個人投資家の心理はかなり暗い。
全米個人投資家協会がアンケート調査から算出している「ブルベア指数」(目先の株価動向を上昇と見込む回答が全体に占める比率から、下落と見込む回答が占める比率を引いたもの)は、9月21日にマイナス43.1%まで落ち込んだ。これは、リーマンショック後の2009年3月におけるマイナス51.4%以来の心理悪化を示しており、直近の10月19日時点でもマイナス33.6%にまでしか回復していない。
それと呼応するように、証拠金債務残高(信用買いの残高)は、金額のピークが昨年10月の9359億ドルで、そこから減少基調となった(ちょうどナスダック総合指数のピークアウトの時期と符合する)。いったん6月の6834億ドルで底入れしたかと思われたが、9月には6640億ドルと底抜けた。
一方、アメリカの機関投資家に関しては、バンク・オブ・アメリカの最新の月次調査が10月18日に公表され、機関投資家の総資産に占める現金の比率は6.3%と前月の6.1%から上昇し、ITバブル崩壊後の2001年4月以来の高水準となった。機関投資家が株式や債券の価格変動におびえている様子がうかがえる。
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