湘南モノレール「ピンクの車両」が担う重大な使命 乳がん撲滅「ピンクリボン運動」を1年中啓発

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――公共交通機関とピンクリボン活動が結びついた例は、今までなかったのですか。

神奈川県では京急電鉄と一時期コラボさせていただいたことや、江ノ電が改札口にピンクリボンを飾り付けてくださったこともありました。

――今後、ピンクリボン活動をより活性化するために、どのようなことに力を入れていきますか。

1つは、現在、各地で行われているピンクリボン活動は、組織的なつながりがないものが多いのですが、これらをうまく連携することができれば、より大きな力になると思います。私も理事を務めている乳房健康研究会の活動を中心に、今後、連携が進んでいくのかなと思っています。

2つ目は、「乳がん検診は怖い」、「マンモグラフィーは痛い」というイメージを持っていらっしゃる方が多いようですが、これらのイメージを払拭することで、検診率の向上を目指したいと思います。

ピンクリボン号側面
ピンクリボン号の側面には複数のリボンマークをあしらっている(写真:湘南モノレール)

怖がらずに検診を

――検診が怖いというイメージがあるのですか?

検診自体が怖いというよりも、万一、がんの診断が出た場合を想像すると、怖くて検診に行きたくないという人がいるということですね。しかし、先ほども申しましたように、乳がんは、そもそもの死亡率が高くなく、早期発見・早期治療すれば、根治する確率が格段に上がる病気なのですから、怖がらずに検診を受けてほしいです。

それから、若い女性の場合、他の人に自分の胸を見られるのが恥ずかしいというのもありますよね。じつは今年(2022年)から、乳がん用画像診断装置リングエコー(製品名:COCOLY)というものを、当病院が日本で初めて導入しました。これは、乳房をベッドの穴に入れるだけで、誰にも乳房を見られたり触られたりせず、また超音波CTなので被ばくの心配や乳房が圧迫される痛みもなく検診ができるという装置です。こういったものが、どんどん普及すれば、検診率も上がっていくものと期待しています。

リングエコー
乳がん用画像診断装置リングエコー(写真:湘南記念病院)

あとは、現在、コロナ禍の影響で、対面指導によるブレスト・アウェアネスを行うのが難しくなっています。そこでお願いなのですが、今まで私がやってきたブレスト・アウェアネスの内容をまとめた「ブレストヘルスナビ」というアプリを公開しています。これをぜひ皆さんダウンロードしていただきたいのです。将来的には、このアプリ経由で、検診の申し込みから検診結果の受信までできるようにしたいと思っています。

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森川 天喜 旅行・鉄道作家、ジャーナリスト

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もりかわ あき / Aki Morikawa

現在、神奈川県観光協会理事、鎌倉ペンクラブ会員。旅行、鉄道、ホテル、都市開発など幅広いジャンルの取材記事を雑誌、オンライン問わず寄稿。メディア出演、連載多数。近著に『湘南モノレール50年の軌跡』(2023年5月 神奈川新聞社刊)、『かながわ鉄道廃線紀行』(2024年10月 神奈川新聞社刊)など

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