湘南モノレール「ピンクの車両」が担う重大な使命 乳がん撲滅「ピンクリボン運動」を1年中啓発

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

このピンクラインの車両をピンクリボン号としてデビューさせることを発案したのは、湘南モノレール広報課長を務める花香晋生さんである。ピンクリボン活動を知った経緯について、花香さんは以下のように話す。

「前職(他の電鉄系企業)で百貨店とのコラボイベントを開催したことがあるのですが、そのときに、下着メーカーのワコールさんが協賛してくださって、そのご縁でピンクリボン運動について知りました。僕は母親をがんで亡くしていることもあり、がん撲滅の運動に興味を持っていたのです」

そして、次のような思いから、ピンクリボン号の企画を提案したという。

「湘南モノレールに転職後、ピンクラインの車両がデビューすることになりました。その際に、『僕らが会社を引退した後も、この車両は現役で走り続けているだろう。なにか、次の時代に引き継がれるメッセージを残したい』と考えたのです。そこで先輩社員に相談したところ、『湘南モノレールは、これまでは社会貢献(CSR)にあまり力を入れてきてなかったよね』という話が出て、そこで思い出したのがピンクリボン運動でした。『よし、ピンクラインの車両とピンクリボンを結びつけよう』ということで、会社に提案しました」

ピンクリボン号側面
湘南江の島駅を出発するピンクリボン号(筆者撮影)

提案してみたものの、社長をはじめ会社の人たちは誰もピンクリボンのことを知らなかったが、ウェブで調べてもらうと「アメリカでは、こんなに大きな活動になっているんだ」と、その重要性を理解してもらうことができた。当時はコロナ前で、沿線の江の島などには数多くのインバウンドの外国人が訪れていたことから、インバウンドの人たちにも分かりやすいメッセージということもあり、採用されることになった。

そもそも乳がんとは?

では、そもそも乳がんとは、どのような病気なのだろうか。土井卓子医師に話を聞いた。

――乳がんとはどのような病気なのか、教えてください。

日本人女性が罹患する悪性腫瘍の中で、罹患率がダントツ1位です。毎年、9万5000人くらいが新たに発症しており、一生涯で推計すると、日本人女性全体の10.6%が罹患する危険性があることになります。これはとても高い確率です。一方で、乳がんで命を落とす危険性は1.5%であり、早期発見・早期治療すれば、根治する可能性が非常に高いという面もあります。

次ページなぜ乳がんは増えているのか
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事