小田急、列車「追いかけっこ」レア企画なぜできた? ファン向け貸し切り列車、複々線をフル活用
小田急小田原線は東北沢―和泉多摩川間の複々線化が完成したことに伴い、2018年3月から同区間を含む代々木上原―登戸間(11.7 km)の複々線を全面使用したダイヤで運行している。ツアーでは同じ方向に2本の列車を走らせられるメリットを生かした。
赤い1000形が走るのは各駅停車が走る緩行線だが、駅をどんどん通過していく。最初の見せ場は発車から20分を過ぎたころの喜多見駅付近。隣の急行線にミュージックホーンを鳴らしながらVSEが追いつき、微妙なスピード調整をしながら両列車が横並びで走行すると車内に歓声が上がった。
登戸駅にはVSEが先着。遅れて駅手前で急行線に移った赤い1000形が入線した。その先の区間では、向ヶ丘遊園、新百合ヶ丘などの駅で、片方が退避する横をもう片方が通過して順番が入れ替わった。途中のトンネル内では赤い1000形の車内照明を消灯させて真っ暗にする、といった特別行路ならではのファンサービスも用意されていた。
小田原まで抜きつ抜かれつ
新宿駅を出発して約1時間後、相武台前駅でホームを挟んで双方が停車。がっつり行路の参加者がVSEへ、ライト行路の参加者が赤い1000形へと列車を乗り換えた。その後は再び、小田原まで追いかけっこを繰り広げた。途中、VSEは秦野、赤い1000形は本厚木から新宿方面へ引き返し、相武台前の留置線に入って並んで休む、という場面もあった。
ライト行路は終点の小田原で下車して解散。一方、がっつり行路の参加者は海老名まで戻り、車両基地内で紅白の編成が並んだシーンの撮影会に臨んだ。普段立ち入れない場所での撮影を思う存分に堪能したようだった。
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