タバコやお酒より「孤独」が体に悪い不都合な真実 孤独感を感じる状況は、心身の多大なストレスに

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一方で、現代人は、スマホやパソコンなどから、四六時中、大量の情報を得ています。さらに「ネガティビティ・バイアス」といって、人はネガティブな情報に注意が向きやすく、記憶に残りやすいという特性があります。大量の情報を浴びていると、自然と悪いニュースばかり目や耳に入ってきてしまうものなのです。

悪い情報だけ見ないようにすることは不可能なので、よい悪いにかかわらず、情報を遮断する時間をつくることを心がけましょう。まずは、デジタル機器を使う時間を減らす工夫を。「通勤時間は読書をする」「寝る2時間前にスマホの電源を切る」など、できるところから始めてみてください。

「私」と言ってはいけない

人はおしゃべりな生き物です。人と会話していないときでも、しゃべっていないようで実は心の中で常に、自分自身に語りかけています。「がんばらなくちゃ」「今日のお昼ごはんはどうしよう?」など、自分に問いかけるその回数は、1日に4万〜7万回と言われています。

このような心の中のひとりごとを「セルフトーク」と言います。そして、この毎日、何万回と繰り返されるセルフトークを上手に利用すると、ストレスを減少することができます。

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その方法はとても簡単。「三人称を使うこと」です。つまり、「私は、がんばらなくちゃいけない」という一人称の自分視点ではなく、「鈴木(自分の名前)、がんばれ!」という第三者の視点から自分に語りかけるようにするとよいのです。

ミシガン大学では、見る人が動揺するような画像を見せたり、過去のいやな出来事を思い出させたりしたうえで、心の中で「私はなぜ動揺しているのだろう?」などと一人称でセルフトークした場合と、「トム(自分の名前)はなぜ動揺しているのだろう?」と三人称でセルフトークした場合とで、脳血流や脳の反応(事象関連電位)を調べた実験を行っています。

その結果、三人称のほうが、脳に負担をかけることなく、感情のコントロールができていることがわかりました。つまり、三人称のほうがストレスを軽くできるということです。

これは「メタ認知」による効果だと考えられます。メタ認知とは、他者の視点で客観的に自分を見つめること。冷静な視点で自分の気持ちや状況を把握・分析することで、感情をうまくコントロールすることができるようになります。

できれば日ごろから、あるいは緊張や不安を感じたとき、落ち込んだときなどにはとくに、ひとりごとに「三人称」を使うことを意識してみましょう。

「○○(自分の名前)は、なぜイライラしているんだろう?」「いま、○○の悩みを解決するにはどうしたらよいだろう?」などと、まるで他人の悩みを考えるかのように、自分に問いかけてみましょう。

今井 一彰 日本病巣疾患研究会副理事、内科医

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いまい・かずあき / Kazuaki Imai

1995年、山口大学医学部卒業。同大救急医学講座に入局し、集中・救急治療に従事する。2006年、みらいクリニック院長に。学生時代より興味を持っていた、東洋医学の研鑽を積む。東洋医学会認定漢方専門医。NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長。加圧トレーニングスペシャルインストラクター。あいうべ体操(息育)、ゆびのば体操(足育)二つの「ソクイク」で病気にならない体つくりを提供している。

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