日韓"急接近"でも「徴用工問題」が解決しない真因 韓国側は岸田首相の「お返し」に注目している
「この危機は、韓国と日本の連携を促進するだけでなく、アメリカと共に防衛力を強化し、即応態勢を高め、2国間・3国間安全保障協力を強めることで共通の脅威に立ち向かうよう促している」(リヴィア氏)
より正式な形での3国間ミサイル防衛体制の構築が次の段階として当然考えられるわけだが、そうした構想は韓国と日本の両方で大きな政治的障害に直面している。
日本との接近に野党が「懸念」
韓国では、野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表が、3国間演習を軍事同盟の形成へと向かう「親日行為」だと非難したことがニュースになった。李代表は、「日本軍が韓半島に進駐してきて旭日旗が再び半島に掲げられる日は想像できないが、あり得ることだ」と発言した。
これに対して、与党・国民の力は即座に、李代表の扇動的な発言を「軽薄な歴史認識」と非難した。しかし尹大統領は支持率低下に見舞われているため、依然として国会を支配し大統領を鋭く批判している民主党からの攻撃にさらされている。
「韓国人は一般的に、中国には警戒感を抱く一方、アメリカとの関係改善を支持し、日本についても支持している」と外交問題評議会で朝鮮半島プログラムを担当するスコット・スナイダー氏は指摘する。「全体として尹大統領は国民が望む外交政策を実行しているが、その功績を認められないおそれが高まっている。彼自身の不人気のせいだ」。
こうした問題はあるものの、日韓関係の打開に向けた尹大統領の努力は国内で広く支持を集めている。最近発表された、日本の「言論NPO」と韓国の「東アジア研究院」が毎年共同で実施している日韓世論調査のレポートによると、両国では互いの国に対して好意的な見方をする人が大きく増えている。
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