新iPhoneに「衝突事故検出」搭載された納得のワケ 車を何度も何度も衝突させて実験を繰り返した
「顧客の安全を守る機能に我々は多くの時間を費やし、iPhoneとApple Watchには、長年にわたり、革新的な安全機能を導入してきました。これらすべてが、人命救助に役立っています。日常生活全体を通じてこれらのデバイスが使われており、転んだことを検出するなど、安全を守る重要な機能を取り入れてきました。そのほかに何ができるのか?を追求していくことは、iPhoneやApple Watchにとって、重要な役割だと考えています。
特にアメリカでは、1日の大半を運転に費やす人が多く、その多くの場合が、1人での運転、かつ人があまりいない田舎です。実際、アメリカ運輸省によると、致命的な事故の半分が地方で発生し、その大半が単独の事故です。つまり、助けを呼ぶことができないのです。
そこで、iPhoneとApple Watchが、重大な自動車事故に遭遇し連絡が必要なとき、そばで役立ってくれるはずだという確信を強く持つようになりました」(ドランス氏)
この機能は、iPhoneやApple Watchを持ってクルマに乗っているときに、激しい自動車事故に巻き込まれたかどうかを、新たなモーションセンサーとソフトウェアアルゴリズムの組み合わせで検出する仕組みだ。
画面にその旨が表示され、自分で救急に連絡できない(衝突検出の画面通知に対する反応がない、もしくはできない)場合に、自動的に救急サービスに電話をかける仕組みとなっている。
重大な事故が起きたとき、すぐに通報することで、人命救助の可能性が高まる。アメリカの交通事情から生み出された機能であることがわかる。
データの収集だけで数年間を費やした
モーションセンサーを用いたさまざまな機能を開発するロン・ファング氏は、この機能の開発には、4つのチームが関わったことを明かした。特により小さなデバイスであるApple Watchに、iPhoneと共通のハードウェアを組み込むためのエンジニアリングには苦労したと言う。
加えて、通知を画面でどのように表示するか? SOS通報で正しい情報を提供する方法、ユーザーができるだけ早く助けられるにはどうすればよいかなど、デバイスの設計や画面デザインだけでなく、通報を受ける側のことまで考えてこの機能が組み立てられた。
中でも最も核となるのが、新しいモーションセンサーだ。ただ高い性能のセンサーを内蔵すればよい、という単純な話でもない。その苦労をロン・ファング氏が説明する。
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