「成績が上がらない…」に東大生はこう対処した 「何が問題か」がわからないうちは解決しない

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例えば、3年生の東大女子は、「文字にすることで初めて、自分の悩みの輪郭が見えてくる」と語っています。「紙に書き起こすことで、自分の置かれた状況や自分の悩み・現状分析ができるようになり、自ずと解決の方法がわかってくる」と。

たしかに振り返って考えてみると、僕らが悩んでいることって、「何に悩んでいるの?」と聞かれたときに、シンプルに答えられないことがほとんどですよね。

「なんだか漠然と思い悩んでいて、言い知れぬ不安感があってうまくいかない」という状況です。こういう場合、しっかりと「結局、自分は何で悩んでいるのか」が明確になったら、案外その悩みって解決することが多いです。

「何で」悩んでいるかがわかれば、「何で」の部分を解決してしまえば、その悩みはなくなるわけです。僕たちが悩んだまま苦しくなってしまうことが多いのは、たいてい「自分は何で悩んでいるのかがわからないから」だったりするのです。

問題や悩みは、それを文字にできたなら半分は解決できたようなものなのです。

「『わからないところ』がわからない」のが最悪

難しい問題が解けないときに、「わからないところがわからない」なんて表現することがありますね。これは逆に言えば、「どこがわからないか」がわかっていれば解決の糸口が見つけやすいということに他なりません。

「わからないところをわかるようにするために、とにかく紙に書く」。これが重要なのです。

でも、「悩みを書こう」と思ってもなかなかできないですよね。ただ「成績が上がらない」と書くだけで問題は解決しません。

そんな中で、4年生の東大男子は、紙に書きつつ「悩みの分解・グルーピングをしている」と言っていました。

例えば、「成績が上がらない」をいろんな方向から分解してみるのです。「成績が上がらないのはどの科目かな?」「その科目では今、どんな勉強をやっているんだっけ?」と。

こうやって分解していけば、自分が本当に悩んでいる部分がどこなのか、「わからないところ」がわかるようになります。

一言で「成績が上がらない」といっても、いろんな要因・いろんな方向の「成績が上がらない」があります。努力しているのに上がらない科目もあれば、そもそも勉強量が足りない科目もあるかもしれません。または、直近のテストでは点が高かったけれど、ムラがあって運が絡んでしまうために成績が読めない、なんて場合もあるでしょう。

これらのことは、とにかく文字で書いてみて、そのうえでその悩みの共通点と相違点を考えてみないとわからないものです。そうやって共通点が見えたら、同じ解決の糸口でいくつもの問題が解決する可能性が出てきます。「結局自分は、全体的にまだ基礎の勉強しかできていなくて、応用の勉強・演習がおろそかだから、成績が上がっていないんだな」と。

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