三越伊勢丹は「営業を前提に」の姿勢【震災関連速報】

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三越伊勢丹は「営業を前提に」の姿勢【震災関連速報】

仙台三越(宮城県仙台市青葉区一番町)が東日本大震災で被災した三越伊勢丹ホールディングス。同店は被害状況を調査中であり、営業再開は未定となっている。

ほか首都圏9店のうち、三越日本橋本店、三越銀座店、伊勢丹新宿本店の3店を除く6店では、計画停電の影響を受けている。

きのう3月14日は、東京電力の計画停電発表を受け、6店を休業した。しかし、「食品を中心にデイリーに使用していただいているお客が多いことを鑑み、今日からは基本的に『営業をする』という姿勢を基本に据えている」(同社広報)。ただ、直前になって変わる停電計画に振り回されてもいる。

 例えばきょう15日、伊勢丹相模原店は10~13時まで計画停電という通知を受け、朝から待機していたが、結局停電がなかったため、前倒しで11時から開店した。一方で、伊勢丹松戸店は10時から開店していたが、12時20分から16時まで停電することが分かり、11時20分に本日の営業を終えた。

「館内にお客がいる間に電源が落ちてしまうということはあってはならない。また、パソコンやPOSレジ、空調機器などは、停電前に停止措置をほどこす必要がある。エレベーターやエスカレーターの用意もある。また、開店するにも、冷蔵庫や冷凍庫の中身をチェックし、停電による影響があれば廃棄しなくてはならない。開店するにも、閉店するにも、1~2時間の猶予が必要だ」(広報)。

ティファニーやカルティエなど、テナントによっては独自の判断で、一時休業するケースも出ている。

震災の影響が日に日に深刻さを増すなか、高額商品を買おうという消費者のインセンティブが高まるわけもない。百貨店業界にとって本当の大変さは、これから始まる。

高橋 由里 東洋経済 記者

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たかはし ゆり / Yuri Takahashi

早稲田大学政治経済学部卒業後、東洋経済新報社に入社。自動車、航空、医薬品業界などを担当しながら、主に『週刊東洋経済』編集部でさまざまなテーマの特集を作ってきた。2014年~2016年まで『週刊東洋経済』編集長。現在は出版局で書籍の編集を行っている。

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