石川に住む「ムスリム家族」心を閉ざす差別の重み 映画「裸のムラ」五百旗頭監督が感じたこと
━━子供たちが、五百旗頭さんたちに気をつかったということですか?
そうですね。姉なり妹があの態度だったので、気を遣うというか、そこは典型的な日本人的な振る舞いですね。それを使わなかったのは、長さの問題と、彼女が抱えている差別の重さを伝えるには、ないほうが最適だろうと思ったからです。
早送りで観る人のために映画を作っていない
━━いまの選択もそうですが、この映画は、わかりやすい台詞でつないでいくテレビ的なことをせず、黙っている態度とか、ちょっとした表情を捉えることで背後にあるものを伝えようとしているのを感じました。最近は、台詞のないシーンは飛ばして映画を観るというのが流行りでもありますが、この映画はそうさせない意思を感じます。
早送りで観ようとするひとのために僕は作ろうとは考えていないですし、そういう流れには抗いたい。余白の部分で想像をめぐらしてもらいたいんです。そこはテレビドキュメンタリーが嫌うところでもあるんですが、映画にするからにはそこを大事にしました。『これ、どういうこと?』『あのシーンは何だったの?』。観終わったあとに話したくなるのが大事だと思います。
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