ちなみに、川越市駅のホームの階段には、「JR線へのお乗り換えは川越駅です」といったような注意書きがある。“川越”を名乗る駅は3つもあるのだから、間違えてしまう人がいるのもムリはない。
そしてその“紛らわしさ”で言うならば、川越市駅の1つ下り方のお隣、霞ヶ関駅も同様である。
「いらっしゃるんですよ、東京の霞が関と間違われて来られるお客さまが。地下鉄から直通しているので勘違いしてしまうのでしょう……」(加川駅長)
東京の霞が関とは、もちろんあの天下の官公庁街のこと。地下鉄の霞ケ関駅と東上線の霞ヶ関駅は、同じ読み方の駅名がゆえに紛らわしいといえば紛らわしい。乗り換え案内アプリなどで何も考えずに「かすみがせき」と入力して、運悪く東上線の霞ヶ関駅を選んでしまうと気がついたときには……ということなのだろうか。
霞ケ関駅と霞ヶ関駅
実際には、東京の霞ケ関と東上線の霞ヶ関はまったく似ても似つかぬ駅である。
小さな駅ビルを持つ霞ヶ関駅は、駅前にいかにも昭和の雰囲気を残した商業ビルがあって、そこを行きかうお客のほとんどは若い学生たち。外国人の姿も目立つ。
「近くに東京国際大学があるんですよ。だから、昼間もそこそこお客さまがいる駅ですね。土日にも各種試験の会場になることもあるので、何かあるときにはほかの駅から応援を出すこともあります」(加川駅長)
ちなみに、“霞ヶ関”の駅名は東京オリンピックのゴルフ競技会場にもなった名門・霞ヶ関カンツリー倶楽部にちなんだもの。だが、ゴルフ場の最寄り駅というにはムリがあり、東上線では鶴ヶ島駅からバスやタクシーを使うのがいちばん便利なルートになっている。
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