国葬で半蔵門駅前の生花店「売り上げ10倍」 「50年くらい商売をしていてこんなことは初めて」

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国葬が行われた27日に全ての花が完売した生花店「きりしまフラワー半蔵門店」の音無功代表取締役(撮影・沢田直人)

安倍晋三元首相の国葬から一夜明けた28日、会場となった日本武道館(東京都千代田区)周辺では、厳戒態勢が解かれ、平静を取り戻した。立ち入りを禁止していた北の丸公園は開放され、通学や通勤で利用する人のほか観光客などが行き来していた。

国葬が行われた27日、一般献花の列は全長6キロ以上に及び、JR市ケ谷駅まで延びた。磯崎仁彦官房副長官は28日の記者会見で、2万5889人が献花に訪れたと明らかにした。最寄り駅となった半蔵門駅周辺の生花店や飲食店にとっては、前代未聞の一日となった。

駅前の生花店「きりしまフラワー半蔵門店」の音無功代表取締役によると、27日の売り上げは普段の約10倍。約3倍多く花を仕入れたというが、午後1時ごろに完売した。音無さんは「50年くらい商売をしていてこんなことは初めて。国葬の是非はあるだろうけど、お祈りすることは良いことだと思う」と話した。28日は仕入れ作業を行った。

中国料理店「三貴苑」の店の前では、献花の列が夕方まで途切れなかった。男性従業員によると、来店する人が約3割減り、テークアウトの注文も9割近く減ったという。一方で、警察からの弁当の注文が100個ほど入り、出前が増えた。売り上げ自体はほとんど変わらなかったというが「慌ただしくて忙しかった」と振り返った。

27日の国葬の参列者は4183人。ビデオリサーチの調査によると、国葬を伝えたNHK総合の特設ニュースの平均世帯視聴率が関東地区で9.7%、関西地区が11.7%だった。

(沢田直人)

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