広島サミットで退陣説も!岸田首相、国葬後も窮地 10月3日からの臨時国会も防戦一方が確実

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

一方、国葬を挟んで、岸田首相は28日夕までの3日間、参列のため来日した各国首脳らと、東京・元赤坂の迎賓館を主舞台に「弔問外交」にいそしんだ。初日の26日はアメリカのハリス副大統領ら9カ国と1機関。国葬当日の27日を含め28日まで30カ国超の要人と弔問外交を展開し、国葬の意義を国民にアピールした。

ハリス氏は昨年1月の就任後初の訪日。岸田首相との会談では、安倍氏が推進した「自由で開かれたインド太平洋」構想の実現などでの緊密な連携を確認。G7各国の最大の課題であるロシアによるウクライナ侵攻についても「圧力維持」で一致した。

岸田首相の当初の思惑は「今回の弔問外交で反転攻勢の糸口をつかみたい」(周辺)というものだった。

しかし、G7首脳で唯一参列を表明していたカナダのトルドー首相が、「ハリケーン被害への対応のためドタキャン」(外務省)したことに加え、1カ国当たりの会談は短時間に限られたため、「儀礼的な会談ばかりで最後まで盛り上がりに欠けた」(自民幹部)のは否定できない。

山積している課題は「超難問」ばかり

今回の「国葬」実施を経て、岸田首相は3日で就任満1年となる。ただ、現状では国民の視線は就任時よりはるかに厳しい。7月参院選での自民大勝からわずか3カ月足らずなのに、首尾よく手にしたはずの「黄金の3年」は事実上消滅。「国葬」実施の即断以来、「次々打つ手がすべて裏目」(自民幹部)となり、表情にも焦燥感が隠せない。

そもそも、現在山積している課題は「超難問」(側近)ばかりだ。国葬の“強行”への批判は根強く、それとも絡む「旧統一教会」問題では、自民党と同協会の「政治的癒着」が次々と発覚。自民党が実施した「点検」のずさんさも際立ったことで、「断固関係を断つ」という首相の決意にも、国民の圧倒的多数が不信感を示している。

さらに、10月に入れば多くの食料品・生活必需品などの大幅値上げが国民生活を圧迫、これに、日米金利差の急拡大などによる急激な円安による石油価格の高騰などが追い討ちをかける。

このため、岸田首相は臨時国会での野党からの厳しい追及に、防戦一方となることは確実だ。

次ページさらには五輪汚職の問題も
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事