日本に多い「外国人お断り物件」根底にある大問題 「貸さない大家」の意識変える不動産屋の存在
「悪い状況であるとは知っていました。この仕事を始めた当初、白人、ヨーロッパ人、アメリカ人などの、日本で"人気のある国"のお客様を紹介するときでさえ、多くの大家さんが断るのを目の当たりにして、すっかり怖くなってしまいました」とマザン氏は言う。
「中には受け入れてくれる人もいます。しかし、アフリカの国や中東の国、さらに悪い例では中国や韓国など、非白人の人の場合は大変で、多くの場合、大家さんに拒否されてしまいます。外国人の中でも差別がある。『いい外国人』と『悪い外国人』がいるわけです」
入居拒否を理由に裁判を起こすのは難しい
「残念ながら、北海道でも国籍を理由にした賃貸契約の拒否が見られます」と話すのは冒頭の片岡弁護士だ。
「しかし、そのような拒絶を理由に訴訟を起こすのは、一筋縄ではいきません。1つは、費用と時間がかかるから。また、オーナーや不動産業者が、拒否の理由に国籍を挙げるのではなく、収入や滞在期間、保証人の有無などを総合的に判断した結果、賃貸を拒否していると言えば、違法性が認められにくい場合が多いのです」
そこで、グローバルコーエイは、会ったことのない外国人に対し、そうした問題意識を持つ家主に、優しくその背中を押すことにしたのだ。
「最初、私はマネージャーと一緒に、大家さんと喧嘩をしたんですよ。なぜ、そんなことをするのかと聞きました。なぜ、中国人を嫌がるんですか?って」
「言葉のせいですか?もし言葉のせいなら、言葉のトラブルがあったら、いつでも私たちに電話してください、私たちが通訳すると約束します。そう言っても、『言葉の問題ではない』が、ノーだという大家さんもいます。
外国人だからだと。大家さんの中には、自分は外国人アレルギーだと言う人さえいました。私が電話で日本人の発音で話しているので、私が外国人だとは思わなかったのでしょう」(マザン氏)
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