「円安だから投資を始めない人」が超残念な理由 円安・株価下落の局面こそ「積立継続」が大切だ

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他に高配当銘柄としてSPDRポートフォリオS&P500高配当ETF(SPYD)もあります。SPYDはS&P500の採用銘柄のうち配当利回り上位80社で構成されています。直近1年間の配当利回りは3.97%とかなりの高配当です。

配当が出たら配当金で買い増しをし、複利的に資産を増やすことが重要。また、こういった高配当銘柄も長期保有が前提になります。

念のため、高配当株がS&P500より優れているという話ではありません。実際、バックテスト期間を2000-2020まで伸ばすと、S&P500が高配当株をアウトパフォームします。あくまで、低成長だった2000年代は高配当株投資が強かった、という話です。(※注:赤が高配当。青がS&P500)

グラフ
(画像:筆者作成)

「相場サイクル理論」とは? 

さて、インデックス投資にしろ、個別銘柄への投資にしろ、投資するさいには相場サイクルを理解しておくことも重要です。

経済には、表に示したように金融相場 → 業績相場 → 逆金融相場 → 逆業績相場 → 再び金融相場に戻るというサイクルがあり、これを「相場サイクル」といいます。

『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」 』より引用

株式市場は金融相場やそれに続く業績相場のように株価が上昇する局面の次に、逆金融相場や逆業績相場の株価下落局面がやってくる、というサイクルを繰り返すといわれており、この流れは人為的に調整できるものではありません。

年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」
『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

現在は政策金利の引き上げが行われている「逆金融相場」と考えられます。株価が下落する時期なのです。すると次には逆業績相場が到来し、金融相場がやってきます。

このようなサイクルを理解して、長期保有を前提にしていれば、株価の下落相場がきても、保有している金融商品を慌てて投げ売りすることはなくなります。俯瞰的に相場を見ることで、株をホールドする「握力」が付くというわけです。

むしろ、逆業績相場では手元資金に余裕のある人にとっては優良な株を安く買えるチャンスととらえることすらできるでしょう。

初心者におすすめの投資法とは?

まとめましょう。

まだ投資を始めてない方や、初心者の方は「円安・円高」「株価下落・株価上昇」にとらわれず、長期保有を前提に積立投資を始めるのがおすすめです。積立投資はベストタイミングを測る投資法ではないからです。「早く始めて、長く続ける」それがベスト。

そして、「相場サイクル」理論的にいうと、今は「逆金融相場」。よって、中・上級者は積立投資を継続しつつも、「株価」と「為替状況」をにらみつつ、暴落時にETFや連続増配当銘柄に一括投資を行うと妙味があるかもしれません。

山口 貴大(ライオン兄さん) Financial Free College代表

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やまぐち・たかひろ / Takahiro Yamaguchi

金融・起業のマネースクール『Financial Free College』代表。SNSでは「ライオン兄さん」名義で活動。ネット関連会社などにて、8年間のサラリーマン勤務を経て独立。サービス業関連会社を興し、2018年に売却、その売却益を米国株を中心に運用し、経済的自由を獲得。著書に『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』(KADOKAWA)がある。

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