「スマホ脳」に陥った日本人を変える3つの習慣 真面目で頑張る人ほど「ぼんやりタイム」が必要

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

③目的地までの道順をスマホで検索しないで移動する

最近、外出時は地図アプリが欠かせないという人がほとんどでしょう。たしかに便利です。

「スマホなしでは、地下鉄で目的地にたどり着けない」

「カーナビなしには、初めての場所に行けない」

このような人は多いでしょう。脳過労によって五感と視空間認識力が衰えている可能性が高いです。視空間認識力とは、方向、形、大きさ、距離感などを頼りに空間を把握する力です。この能力が衰えると先ほどの例に挙げたように、スマホやカーナビなしでは目的地にたどり着けなくなってしまいます。

また、認知症の方が道に迷ったり、交通事故に遭ったりするのも、視空間認識力の低下によるためだといわれています。

いつもは歩かないルートを選んでみる

視空間認識力は、いつもの道順を変えたり、いろいろな場所に出かけたりすることで鍛えられます。なので、あえて時間に余裕がある時は、地図アプリを使わずに移動してみましょう。例えば駅から自宅までの帰り道、いつもは歩かないルートを選んでみる。そうしたちょっとの工夫でも効果を期待できます。

スマホ脳の処方箋
『スマホ脳の処方箋』(あさ出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

もちろん、時間厳守のビジネスシーンではスマホに頼らない手はありません。しかしゆとりのある場合は、スマホに頼るのを控えて私たちの脳機能を意識的に使っていただきたいのです。

太陽の方向、道路の標識、目立つ建物だけを頼りに歩いていると、迷子になってしまうことがあります。焦ってしまいますが、きれいな公園や雰囲気のよい商店街などに出会えるときもあり、それがまた脳を活性化させてくれます。まずは休日の移動から始めてみてください。

いずれも仕事やプライベートシーンで取り入れやすいものです。1日や2日続けただけでは効果を実感することはできないかもしれませんが、生活習慣を改善して継続していけば、脳の疲れは間違いなくとれていきます。スマホと正しく付き合いながら、健康的な生活を手に入れましょう。

奥村 歩 日本認知症学会専門医・指導医 おくむらメモリークリニック理事長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おくむら あゆみ / Ayumi Okumura

1961年生まれ。長野県出身の医学博士。岐阜大学医学部卒業、同大学大学院医学博士課程修了。 アメリカ・ノースカロライナ神経科学センターに留学後、岐阜大学付属病院脳 神経外科病棟医長併任講師、木沢記念病院勤務を経て、2008年に「おくむらメモリークリニック」を開院。設置した「もの忘れ外来」には全国から多くの人が来院し、これまでに10万人以上の脳を診断。脳神経外科医として認知 症やうつ病に関する診察も多く経験し、日本脳神経外科学会(評議員)・日本認知症学会(専門医・指導医)・日本うつ病学会他の学会で活躍している。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事