「奨学金240万円」元非行少年が歩んだ数奇な半生 暴走族の副総長、新聞奨学生を経て驚きの現在

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藤岡さんは大阪府の南部の出身。父は土木建材販売の自営業で、母は専業主婦。2歳年下には弟がいるという、ごく一般的な家庭で生まれ育った。

前述のような理由から不良になった藤岡さんだが、家族はどんな反応だったのか?

「中学はほとんど出席しなかったので、そのまま就職することも考えていたのですが、母親から『定時制でいいから、とにかく高校に行って!』と泣きつかれたので、とりあえず近所の定時制高校に入りました。ただ、もともと勉強する気がなかったものですから、結局2年も留年した揚げ句に中退します」

暴走族時代と、訪れた意外な転機

すらすらと、親不孝エピソードを語る藤岡さん。暴走族時代の彼はどんな感じだったのだろうか?

「髪型はしっかりとリーゼントでキメていましたよ(笑)。当時の自分は本当にむちゃくちゃで、お恥ずかしい話ですが、トルエン……まぁ、要はシンナーを3年は吸っていましたし、クスリも覚醒剤と大麻の両方に手を出していました。悪い大人と交流を持ったりもして、最後は出頭しなければ逮捕すると言われたので出頭して、保護観察処分までいきました」

想像以上の不良だ。読者諸氏にZoomの画面を共有したいぐらい、今の柔和な雰囲気の藤岡さんの風体からは想像もできないような悪行三昧だが、そこから彼はどのようにして更生していったのか?

「別の定時制高校で4回目の高校1年生を終えて2年生になったとき、担任の先生から『お前たちも頑張れば大学に行けるんだぞ!』とハッパをかけられたんです。『こんな自分でも行けるのか』と心機一転、大学を目指すことになりました。担任の先生が個別指導並みに勉強を見てくれたので頑張ることができました」

努力の甲斐あって、藤岡さんは東京にある有名私立大学の、理系の夜間学部に合格。中学・高校とロクに通わず、合格したこともあり、周囲にもそうとう驚かれたそうだ。

「結局、高校に7年間在籍したことになるので、大学に合格したときは22歳です。それでも、先生たちは褒めてくれましたよね」

次ページ大学進学を果たすも家族からのサポートは…
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